「ワン、ツー、スリー、フォー。」
二度目の『DIVE』。
その一音で、空気が変わった。
イントロから達磨のベースが歌う。
ギターの後ろで支えるだけではない。
前へ押し出し、ときに絡み、ときに挑発する。
「もっと来い。」
そんな声が聞こえてくるようなベースだった。
颯太も応える。
自然と指が動く。
音で会話をしていた。
大地も違う。
ドラムはテンポを刻んでいるだけではなかった。
次の展開へ期待を積み上げる。
一打ごとに熱が増していく。
スタジオ全体が音に引っ張られていくようだった。
(すげぇ……。)
颯太は圧倒される。
二人は好き勝手に弾いているわけじゃない。
『DIVE』という曲を、一番格好良く聴かせようとしている。