シュテルダ砂漠――そこは過ちを許さぬ過酷な地であり、流砂の創造の深淵にすべての痛みと恐怖を閉じ込めている。しかし、混沌が生まれる遥か昔、あるいはどの民族の起源よりもさらに古き時代、この地はまさに肥沃の美そのものであった。生命に満ちあふれたその地を今見れば、激動の時の流れがもたらした結果など、到底信じられないであろう。
古の巨獣ギズモルス。その甲殻の前にはあらゆる鋭利な刃の理すら砕け散り、その脚は大地を巻き上げて、すべてを喰らい尽くさんとする破壊的な情熱で村や都市を耕し尽くした。そして、恵み豊かなシュテルダの地を、全人類への果てなき抑圧に塗れた生命なき砂漠へと変え果てたのである。
ギズモルスの死――大いなる消耗。
この禍々しき巨獣は、シュテルダの民の抵抗に遭った。民は数十年にわたり、己の地で生きる権利のために戦い、凄惨な宿命に抗う力を培っていった。シュテルダの地は厚い砂に覆われ、巨獣の血さえもすべてを埋め尽くす黄金の塵の奔流でできていた。そしてついに、シュテルダの初代統治者であり「第一の槍」が怪物を貫き、その腹部に忌まわしい大穴を残した。それこそが、現在「消え去りし者の胎内」と呼ばれる場所である。
しかし、あの偉大なる日にシュテルダが勝利を収めたにもかかわらず、同時にこの王国のすべての未来は失われた。巨獣の胎内から数え切れないほどのスコルペニドの群れが解き放たれ、砂の海をさらなる凶暴さで満たしたのだ。今日に至るまで、この巨獣は歴史に刻まれている。「消耗の巨獣、絶望の偉大なる王」として。
~ 魔物誌『砂の書』より抜粋 ~