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読んだ本#1

読んだ本の感想をあげています。
ネタバレになる可能性があるので、ご注意ください。















『DDD』

叙述トリックの使い方はもちろん、全体を通してとても読みやすい文章だった。
『無意識に毒をふりまくアゲハなのだ』など、比喩ひとつとっても的確かつ想像しやすいものだった。

一番最初の事件(木崎を除く)では、悪魔憑きのキャラクターにとても惹かれた。悪魔憑きになる過程にも、どんでん返しがあるのはやはり参考にしなければならない。

この作品で特に面白い設定は、悪魔憑きになる人物の心理的ストレス、つまり原因があり、それも読者と一緒に紐解いてゆけるのはとても面白いと感じた。
読者を置き去りにしないという点も参考になる。

特に感動したのは、最後の三章のバトルシーン。
巧みな言葉遣いと、逆転の発想ゆえの正面突破を図るアイデアには目を離せなかった。


『アルジャーノンに花束を』

アルジャーノンとチャーリィが共に逃避行をするシーンは見ていてワクワクした。頭脳が高くなった彼らが共に科学者を相手に一本取るのは見ていて痛快である。

ドナーという人物がいなければ、チャーリィ―があんなにも天真爛漫ではいられなかったと思う。一つ一つの言葉を温かく、ハーマンとの約束を守り続けていたことも誠実さを感じた。

この作品で特に面白い設定はこの作品すべてを通してチャーリィ―の日記を見ることで物語を展開している点である。そのため、作品内の細かな変化が如実に表れ、理解しやすく読者を引き込みやすくしているのだと思う。

感動したシーンはやはり最後の50p分の展開だ。彼が……だった背景を知っているからこそ、その後の経過報告により感情移入してしまう。そして、特にこころ揺さぶられたのが、チャーリィ―はチャーリィ―のままであったこと。作品を見ていく中で多少の不快感を覚えることがあったが、でも、やっぱり彼は天真爛漫で、純粋で、悲しくなるほどに優しい人物だった。

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