白江桔梗

イスパハンを愛する男と、その中にある棘のこと。

幼い頃から泣き虫だった優子。 何かと涙を流すことの多かった彼女に 母が見せてくれたものがあった━━━

「あこがれる」とは、もともと「あくがる」。 「あくがる」とは、あるものに心引かれ、魂が離（か）ること。 私は彼のことを思い、憧（あくが）れ歩（あり）く。 会いたい。あいたいあい…

若くして妻に先立たれた主人公は、ある晩遅く帰宅すると、倒れ息絶えた妻を見つける。 警察や病院での手続きに追われながら、遺体安置所で対面した妻の顔は苦しそうにむくみ、受け入れがたい…

ある日私は雨になった夢を見た。聞けば友人も水になった夢を見ている。その日以来、街に溜まった水が減少し始める。かなり奇妙だけれど大人たちにそう慌てた様子はない。そうして、急遽決まっ…

殺人を犯して服役していた女性の、出所後のことです。

五十嵐璃乃（Rino Igarashi）DIGITAL SINGLE「Bride」 2024.09.12 配信リリース 【収録内容】 01. Bride 〈About t…

「普通」と違うことに悩み、世界とのズレを感じている女性が出会ったのは小さな路地にあるストリップ劇場だった………。小さな光とお守りのお話。

誕プレ小説です。色々とお察しください（2025.3.10執筆＆投稿）。

本屋の片隅で拾った包み。 きれいにラッピングされたその箱の中身はなんだろうか。

便りのないのは、良い便り。 広告チラシに混じって、古アパートのポストに入っていた、手書きのはがき。 クロノヒョウ様の自主企画「アンコール企画　第21回～第25回のお題」参加作品。

これは『都落ちギャル（血統書付き）に懐かれた話』の番外編です。 本編が長くなってきたため、最初から読むのをためらっている方々に向けて、この番外編を投稿し、作品の雰囲気を少しでも伝…

定年退職の日、加藤はひとりだった。現れた新入社員の関谷。関谷は晩飯を奢ってくれると言う。

直線より滑らかに続くはらいから、二度の右折を経てその先端は何処を向きますか？ 残りの半分の道程を 貴方は如何に踏みますか？ 文字に宿る魔力が青年の正気に罅を射す

魔法のiらんど25年間の感謝を込めて「ありがとう またね、大好き」ショートストーリーコンテスト参加作品。

猫と私の、終わりを掴む物語。 主人公が愛猫に来てしまう終わりを受け入れていく物語です。

ため息の沈殿するような日々。たまたま手に入ったライヴのチケット。そのバンドが大好きなクラスメイトを誘う話です。

九〇年代後半ごろ、夕方の公園でバンドをやめた男と塾帰りの少女が喋るだけの話です。以前『砂漠』をテーマにした部誌に載せた作品を加筆修正しました。

文庫本15頁分くらいです。

第二回へびふくろう座文学賞、二作品目になります。※レギュレーション「灰色の男」を必ず登場させること。 その後、参加自主企画【第２回　女性作家の集い】【天川賞】で、主催者・天川様…

事故により全身麻痺となった青年。 ２０歳の誕生日を迎えたその夜…… 青年と木とのファンタジーです。

解散した中堅お笑いコンビのツッコミが書いた手紙を覗きます。 ある熱烈なファンからのファンレターへの返信です。

彼は図書室て小説を書く。 私はいつしかそれが気になった。

最初から最期まで、ひとりであれば、孤独というものを、知らずに済んだのに。

古代中国の亡命詩人と、娘の姿をした桃の樹のおはなし ＜冒頭＞ 辛くも都を逃れた李韓が、郷へ戻る道すがら行商人に出くわした。 　地まで届く辮髪と白い顎髭を持った仙人のような老爺…

毒親育ちの四十代の娘が、事故で亡くなった母の付けていた日記を読む話です。

原稿用紙15枚。 オフラインでの合同企画本「ココハコ」参加作品。お題は「ここ」と「箱」。

施設のベッドで話をする二人の話です。

他人と感情を共有できないことはおかしいと、誰かが言った。もうすぐ夏が終わる。ヒマワリのような少女は今年も、あの場所で寂しい鯨を待っている。 「渡り」「52ヘルツ」「アルバム」の三…

「顔をあげ、目を合わせ、ゆっくりと花開くように嬉しそうな微笑みを向けてくれる。それだけで、心臓をぎゅっと掴まれるんだ」 部室に向かう途中で芽衣子と交わす短い会話。それは伊吹の日…

かつて恋人同士だったサナとアンディ。彼の新たな婚約者との結婚式に、サナは出席する。とある楽曲のパロディです。

とても短いです。あらすじを説明するより読んでもらった方が早い！ 夜の海は、冷たくて美しかったでしょう。

「今夜泊めてください」 美少女に頼まれた主人公。しかし、彼女には何やら秘密があるようで……。