• 歴史・時代・伝奇
  • 異世界ファンタジー

わがままな話……。

通常、キャラクターは自分でイラストを描くので、そこまで気にはしていなかったのですが……。

あこがれるなァ、ファンアート……!

私、キャラクターといっても毘沙門一家くらいしか描けないんです。
ほかはイメージが湧きづらく、毘沙門天(または毘沙門天の関係者:帝釈天など)以外の人物を描いたことがありません。

なので、今回新作の『アオトラ』の主人公キドンは、容姿は明記しているのにイメージはうまくともなわくて描きづらい……。

ということで、誰かキドンのファンアート、よろしくお願いします!

37件のコメント

  •  なんとワガママなお願い……! 私が湯婆々なら「ぽんつく地蔵だって? 生意気な名だねぇ……今日からお前の名は『ぽう』だよ!」と言ってるところです(?)
     せっかくだから何か描いて差し上げたいけど、私は絵心を幼稚園に落っことしてきた身なのでちょっとムリです。

     よしっ、私だけ企画を変更してアオトラの二次創作小説を書くことにしよう(無断で)!
     しかもまだ原作で掲載されてない一番いいところを勝手に予想してなあ……! 

     実はもう書いてしまったので(そんな勝手な)ここに貼ってしまってもいいのだが……
     逆に心配! ぽんつくさんがあまりに衝撃を受けて本編を書きにくくなってしまわないか! 見える、見えるぞ本編で大事なシーンを書こうとしたのに、二次創作のギャグ描写がちらついて集中できなくなるお前の姿がなぁ……ブヘヘヘへ(悪魔か)!

     全年齢向けギャグ寄り短編ですが、もしよろしければ貼るのでこちらにお返事下さい。
  • 木下さん、

    はいどうも、「ぽう」です!
    でもあこがれませんか、ファンアート。みなさんしてきなイラストを描かれているので……。
    あ、もちろん木下さんには期待していませんよ(なんと冷徹な)。

    ええー!?!?私のアオトラの二次創作ぅ!?!?
    わあ、嬉しいですーーっ💕
    私、二次創作書かれるなんてはじめてですし、幸甚の至りでございます。なんとありがたや!!
    本編に集中できなくなって、死にそうなくらいに木下さんの二次創作がちらついて、もう私……、召されるかもしれないっ!

    それでも見てみたい!せっかくなんですから、読みたいです!ぜひ見せてくださいᕦ(ò_óˇ)ᕤ
  •  くっ、(絵は)期待されてなかっただと……ぽうめ、目にもの見せてくれるわ!

     見直した後今日中には貼ってやるからなー! 貴様の一番書きたいシーン(推定)を先に書いてやったぜぇ……敵の青年のセリフは原作にまだないからほぼオリジナルだがなぁ!

     漫画『吼えよペン』シリーズにもあったけど、人の作品の続きを勝手に書くのたーのしー!!(その後「自分のは?」「できてません」というオチに続く)
  • >くっ、(絵は)期待されてなかっただと……ぽうめ、目にもの見せてくれるわ!
    →すんませんな笑

    おうおう、貼ってくれーっ!
    そして私を、この私を苦悶させてくれーっ!!

    木下さん、二次創作書くの意外とお好き?
  •  それじゃ貼ります。全年齢向け・ギャグ・キャラ崩壊注意。
  • 『笑わぬ虎は、青瞳を愛する。』
     勝手に二次創作
    『でかい猫は、田舎男子に愛される。』



     硬骨の将は義憤に唸っていた。総身を震わせて唸っていた。声すらその喉から上がっていた。
     けれど実際のところは。ごろごろ、ごろろ、と唸っていた――その大きな顎(あご)の下を撫でられて。大きな目を細め、撫でる手に身を寄せてごろごろごろと唸っていた。地につけるように頭(こうべ)さえ低めて。

     将は今、虎へとその身を変じていた。何故かは知らぬ。なんとなればまだそこまで原作が進んでいないからである(筆者がこれを書いている現在)。なんかすごくすごい薬を一服盛られたらしいとは推定される。
     ともかく、一軍の将は今や、一頭の猫科大型獣に過ぎなかった。
     吾輩は虎である、などと名作文学を気取る余裕もなく。運命の女神と原作者の仕打ちを呪いながら、将は自分を撫でる手に不本意ながら身を委ねていた。

     そして、今将を撫で回しているのは。かつて将の身をかすめて矢を放った、敵国たる田舎小国の戦士であった。
     青い目を細めて、かの青年はつぶやく。

    「ほんのこつ(本当に)むぞか(可愛い)猫じゃね、おまん(お前)は」

     いや何言うとんねん自分。虎やぞわし――そう思いかけて、将は大きくかぶりを振る。
     いや、ちゃう(違う)ちゃうちゃう。何が虎やねんわし、何でそっちに慣れてきとんねん。


     ――ところで。彼らの用いる言語について奇異に思われる読者もおられるであろう。
     しかし、かの二国の発音構造が我が国のとある二つの地方の方言と驚くべき相似形を成していることについてはユンゲン・モホロビチッチ博士の著書『発音と言語・その科学と統計 ~方言フェチは国境を越える~』(民明書房 刊)に詳しく、決して筆者が原作者に何の断りもなく劣情に駆られて書いているといったものではないことをお断りしておかねばならない。


     ――閑話休題。
     太くはないがごつごつと武骨な手が、何度も雑に虎の顎を撫でる。
     その度に、ごろろ、ごろろ、と喉を鳴らさざるを得ない。鳴らしたくなどないのだが鳴らさざるを得ない。
     並みの者ならば「悔しいっ……でも感じちゃう……!」などと軟弱な声を上げるところであろうが、硬骨の将は左様な不様な真似はしない。ただ、じっ、と耐えている。嫌ならよそへ行けばいいようなものだが、ごろごろごろごろごろごろ言って、じっ、と耐えている。
     今や硬骨の将は、すっかり恍惚の大猫であった。

     青年は虎を撫でながらつぶやく。
    「しかし、何ぞ大国の奴らは。ぽかっと(急に)攻め寄せて来よったとともたら(思ったら)いっぺこっぺ(所構わず)好き勝手してくれよるばい……じゃっどん(だけど)、もう好きにはさせんたい」

     傍らに置いた愛用の弓を一つ叩く。
    「おい(俺)がこいつで奴らん将に、チェストかましちゃるけんね! ちゅうか、この前もいっぺんかましてやったが……射損じたばい! はがか(悔しい)~!」

     言いながら、虎の頭を何度ももふもふとはたく。

     いや、それわしや。お前が殺そうとしたんも、今めっちゃもふっとるんもわしやねん。どないなってんねんお前。

     そう思いながらも離れられずにいる将に、青年は屈託ない笑みを向けた。
    「そうじゃ! おまんも奴らとの戦、手伝ってくれんね? 奴らもたまがっじゃろうなあ(驚くだろうなあ)」

     そらそやろ、虎やもんなわし。最前から虎やら鷲やら、何やめっちゃややこしいけど。逆に何で自分はびびっとらんねん。どないなってん。

     青年は息をついてかぶりを振った。
    「なに、冗談じゃ。おいら(俺ら)の国はおいらで守る。おまんは森に帰れ、そんで……おいが奴にチェスト喰らわすとこ、見といてくいやい(見ていてくれ)」

     自分の目をじっ、と見つめてくる青年の青い目を。目をそらさず、将は見つめた。

     せやな。見といたるわ、自分がわしを殺しにくるとこ。しゃあけどそん時は、わしもごろごろ言うてへんぞ。

     身を震わせ、将は四つ足で立ち上がる。元の姿に戻るすべは定かならねど、いつまでもここにはいられない。いつか来るであろう戦いの時に備えておく必要があった。

     そこで青年はやおら、懐からチューブ状のものを取り出した。
    「そうじゃ、腹減っとりゃせんか? 食わんね、おっが国の名物、チャン・オ・チュープたい!」

     ふたを開けると、中から魚肉をすり潰したジュレ状のものが溢れ出し、旨味をたっぷり含んだ魚の匂いが虎の嗅覚を刺激した。

    「チャン(天然アスファルト)みたいにどろどろした、ちゅーちゅー吸うスープ……間の『オ』が何かは聞かんでたもっせ(ちょうだい)、おいも知らん」

     ふんっ、そんな田舎料理がわしに……でもまあ一口、うまっお前こんな物でうままっ、このわしを懐柔してうまままっ、うまっ、うままままままっっ……

     ――博識なる読者諸君はここでお好きなペットフードCMのBGMを思い浮かべるとよろしい――。

     ひとしきりなめ終わり、口元についたジュレをひたすら舐めまわしつつ将は思う。
     ふんっ、馳走にはなったがこれまでや。次に会うときは戦場やぞ、こわっぱ――

     青年は荷物から小さなビンを取り出し、栓を抜く。
    「せっかくじゃ、これもやらんね。おっが国の名物! マタタビ酎たい!」

     立ち去りかけていた虎であったが。その嗅覚へ、穀類原料ではないきつい蒸留酒の香りと、とろかすような果実の匂いが絡みつく。まるで絡め取られたかのように足が止まり、ひとりでに元来た方へと戻っていく。

     小さな器に注がれた酒を、気づけば舌を伸ばし喉を鳴らして舐めていた。アルコールの酔いと。頭の奥を痺れさせる、甘い毒のような果実の滋味が、舌から体中に染み渡る。

    「おまん、じゅじょな飲んごろ(相当な飲兵衛)じゃね? マタタビは疲れた旅人が食べたらまた旅ができる、ちゅうて滋養があるけんね。芋焼酎に漬け込んだ滋養酒たい。ささ、もう一献」

     なおも酔いが回り。ふらふらと躍る大地の中、どう、と音を立てて虎は横たわる。

    「よ~~しよしよしよしよしよし」
     青年の両手が、無遠慮に虎の体中を撫で回す。

     違っ、こんなはずじゃ、こんなつもりじゃ――思いながらも、虎の体は腹を天に向けて横たわり、ごろごろごろと喉を鳴らす。

     ――もう、ダメかも分からんね。離れられんかも分からんね。
     それもいいか、と虎は、将は、酔った頭で思って目を閉じた。

    (おしまい)
     
  • ほん、もう、ちょ、待ってwww
    超絶最高なんですが!!(*^◯^*)。

    クセ強い方言は、木下さんらしい表現ですね。
    撫でくりまわされて、チャオチュールを与えられて、マタタビに酔いしれた上に安穏無事で、本能に逆らえず悦に入る虎もかわいい💕

    これさ、木下さん名義で『アオトラ』外伝として投稿してもええですか?
  •  気に入っていただけたようで何よりです! 不評だったら「誤チェストにごわす! おいは恥ずかしか!」と言い残して脱藩するところでした(?)。

     青年を純朴そうな感じに書いてみたかったので方言キャラにして、書く前は福岡の言葉がかわいいと思ったんですが。よく考えたらぽうさんも福岡出身なので中途半端に書いたら違和感が出てしまうと思い、薩摩弁に。あとチェストー! って言いたかった。

     参考資料は『胸キュン☆方言男子コレクション』とネットの薩摩弁翻訳、あとは漫画の『ゴールデンカムイ』薩摩弁のシーン。衝撃的な薩摩弁「ちんち〇ぬきなっもしたなあ」(だんだん温かくなってきましたね)が印象的。

     えっ!? この話を『アオトラ』外伝に!? そぎゃん好いてくれとうとですか! がばい誇らしかばい!(九州弁が色々混じっている)
     ばってん、畏れ多いんで「アオトラ外伝(?)」ぐらいの扱いにしていてたもっせ……!
  • 方言ぐだぐだでけしからんすぎてワロタwww

    いやはや、さすがは木下さんといった作品でしたよ!
    緻密な描写に隙は無し、なのに方言で垢抜け感を見事に演出している。
    これを世に出さずしてどうする!

    一応、私作ではないので、木下さん名義にはします。その上で、「アオトラ」外伝として公開しますね♪
  • ぽんつくさん、聞いてくださいよ! 木下さんたら私のとこまで、ぽんつくさんと仲良くしてるの自慢しに来たんですよ!
    いいんですぅ。私だって、絵描いちゃうんだからぁ。

    でも、確かに難しいんですよね、キドンさん。顔は思い浮かぶんだけど、コスチュームが想像つかない! 中国ドラマの『陳情令』の白い方の人をインド映画『ポロス』風にした感じを想像しています。
  • イカワさんの近況ノート、見ました😁
    木下さん、「ぽんつく地蔵を甘やかした」だなんて人聞きの悪い(^◇^;)。甘えたのは、たしかに甘えたのではあるけれども💦
    イカワさんだって、私と親睦深いですのにぃ(o^^o)。

    キドンの似顔絵難しいですよねぇ。
    なるほど、中国ドラマとインド映画の間って感じですか。コスチュームとしては、鎧下着的な格好を想像しています。
  •  少し苦言を呈しますが、アオトラ外伝にまず「私の名前がない」。
     そして「混乱する読者がいるかもしれないから、紹介文をもう少し詳しく」した方がいいと思います。

     「いち読者による二次創作」って書いてくれてるんで、だいたいの読者は分かってくれると思いますが。中には「え? 結局これ二次創作なの? それともそういうていで原作者が書いたという遊びなの?」って思う人もいるかもしれない。そういう人にとっては、混乱するしコメントしづらい。

    (寄稿 木下望太郎)ぐらいを紹介文と、あるいはタイトルの後ぐらいにつけておいていただきたいです。

    「紹介文をもう少し詳しく」というのもそれと関連した話で、「この外伝はどういう位置づけなの? 本編と関連あるの?」と混乱する読者がいるかもしれない。
     結論しては「関連はない」のですが、そこでちょっと混乱する読者がいるかもしれない。

     たとえば毘沙門天の話の外伝は「本編と同じ世界のサイドストーリー」。アオトラ外伝は「他人が勝手に作った、本編とは違うギャグ世界の話」。

     そこを明確にしておかないと、リアルタイムで読んでる人は「? 青年って本編もこんな感じで出るの?」とか、逆に完結した後で読んだ人は「? この全然キャラの違う青年は何なの?」ってなるかもしれない。

     まあ二次創作って明記してあるので、だいたいの人は分かってくれると思うんですが。それでも「本編とは全く異なる解釈の異色ギャグ!」とか「キャラ崩壊注意」とか書いておいた方が親切ではないかと思います。

     私はこの話を、友だちへのプライベートな贈り物として書いたのですが。公に出す作品としてくれたことは、すごく光栄に思っています。
     
     友だち同士の遊びとして、なあなあで済ませた部分もありますが(それでも ギャグで、勝手に予想した内容で、キャラ崩壊注意な、とは説明したつもり)。
     作品として出すなら、読者を気づかっていただきたい。読者は友達ではないのだから、なあなあで済ますべきではない(と、私は思います)。
  •  別に怒っているわけではないのです(は? と思ってムスっとはしている)。

    「あなたを少々甘やかしていたようです……少ぅし教育が必要なようですね……!」(お好きな鬼畜眼鏡キャラの声で再生して下さい)ということ……!

     ちなみに私の場合↑のセリフはドラゴンボールのフリーザ様の声で再生されます。
     ホッホッホ……私の戦闘力は53万です。ですがフルパワーは出しませんのでご心配なく……!(?)
  • 木下さん

    木下さん名義と言っておきながら、やはり個人名を出すのはどうなかとおもい、「いち読者による二次創作」と位置付けてしまいました。
    とても、申し訳ないことをしてしまいました。お詫び申し上げます。

    言い訳といってはなんですが、なんせ二次創作を作っていただけることは初めてで、どう紹介文を書いてよいかもわからず。
    さきの木下さんのご指摘により、ようやく紹介文の書き方を把握できました。

    また改めて書き直す所在です。

    木下さんには甘えきりで、本当にごめんなさい。
    改めまして、お詫び申し上げます。このたびは、失礼いたしました。
  • 我ながら色々面倒くさいことを言ってしまったと思うので、一部撤回し謝罪させて下さい。

     まず、私の名前を出すことについてはぽんつくさん自身が「木下さん名義で〜」と言い出したことなので、きちんと名前を出すようにしていただきたい。
     ぶっちゃけて言えばその約束が履行されていなかったことに腹を立てたのでした。

     もう1つの、「紹介文の内容が〜、読者の混乱を〜」とか言い出したのは、これは私が間違っていました。撤回させて下さい。
     あなたにあげた話をあなたが発表するのだから、読者云々を考えるのはあなたの役目だ。私の役目じゃない。
     名前さえ出てれば、特に紹介文に口出しはしません。
     いらんお節介を焼いてしまい、気分を害されたことと思います。すみませんでした。

     私の紹介の話は、作風もだいぶ違うし別にいいかなあと思います。お気になさらず。
  •  私の方こそ、そもそもぽんつくさんに喜んでもらおうと思って書いたものなのに、水を差すようなことを言ってしまいすみませんでした。
     私の方からは、この話題はここまでで終わりです。

     私から謝ることが実はもう一つあり、外伝制作中に「早く見てもらいてえ!」とウキウキで書くあまり、当時の最新2話ぐらいを読んでませんでした。(まだ虎になってないのは確認した)

     まさか王様にガッツリ衆道に誘われるシーンがあるとは知らず。これを知ってれば外伝をもっとエロく書けたかもしれんかったわブヘヘヘ……!

     早速アオトラ外伝に星3つけてこよ〜っと。こ、この作品を書いたのは狂気に近い才能を持った天才に違いない……!(自画自賛) 
  • 木下さん

    そんなにも「アオトラ」を気に入ってくださってたんですね!
    ありがとうございます💕

    でもしかし、虎になって青年に溺愛されているあたりは、本作と多少はマッチするかもしれません。

    王様がっつりシーン、あれはたしかに外伝はエロく書けたかもですね。
    外伝第二話とかいかがです?🤭

    「アオトラ外伝」、自画自賛してください!
  •  私は確かに二次創作好きなんですが。それはただ好きで書いているというより、往々にして「応援」なんです。

     早々に打ち切られたマイナー漫画の作者への応援。
     十年前に終わったコンテンツをずっと愛している人への応援。
     好きなゲームのキャラが、関係の悪くなった(元々愛してはいる)家族に似ていてトラウマを刺激されてつらいから、誰かそれをネタに書いて昇華してくれ、なんて頼みを引き受けたこともあった。

     私がアオトラのいちファンであることは事実だし、書いたのはただのギャグだが。あなたを応援したいから書いたんです。大変なときに私が具体的にしてあげられたことってないから。

     次に書くやつもただのギャグだが、あなたが本当に話に詰まったときか、書き終えておめでとうのときか。それ以外のタイミングでは一切見せない。
     そのどちらかのときに私の近況ノートにでも連絡下さい。
  • 木下さん

    私のほうこそ、本当に逐一わがままなことを言い続けてしまって申し訳なく思っております。

    応援したいから書いた、その言葉がどれほど私にとって励みになるか。
    だからこそ、木下さんの二次創作を欲してしまった一面もあります。
    木下さんがアオトラのいちファンであることに、なんと感謝申し上げればよいのやら。

    木下さんのギャグ二次創作は、アオトラの完結を待つことにします。いまのところ、どうしても行き詰まってしょうがないということはないので。
    ですが、にっちもさっちもいかなくなったときは、一言助けを求めに行きます。そのときは、どうぞよろしくお願いします。
  •  というわけでさっそく外伝二作目が書けもした。チェストー!
     前回の倍ぐらいの文なので前後編で。前半は前回に近いノリの動物ギャグ(ちょっと品がないかも)、後半はその流れからやや文学的に締めてみました。

     必要なときに私の近況ノートで言って下さい。ただ、本編と矛盾が出たり完結の余韻を変な感じにしてもよくないので、完結編を載せるより先に言ってくれるといいかと思います。なんか違うと思ったら公開する必要はありませんので削除しておいて下さい。

     アオトラの感想も書きにいきたいと思いつつ……じゃっどん、体力に余裕のあるときにしますばい! 
  • 木下さん

    さすが、チェスト!

    完結前のご報告の件、承知しました。
    ただいま、ちょうどキリの良いところまで書き上がったので、木下さんさえよければ公開していただけると嬉しいです。

    それにしても、ありがとうございます!
    アオトラ推しがために二次創作を作ってくださり、大変感謝しております。

    また楽しみにしていますね。
  •  二次創作2話の件は私の方の近況に書いたとおり、了解しました。
     一つ確認ですけど、今回の外伝でキドンに「わし(本当は虎じゃなくて)おっさんやぞ」という独白があるのですが。

     イカワさんの絵を見て「あれっ!? キドン若い!」と衝撃。そういえば具体的な年齢描写はなかったのか……!?

     とりあえず、今回「おっさんと自称しても不自然でない年齢なのか」「おっさんやぞ、というセリフ変えた方がいいのか」教えて下さいか
  • 木下さん

    ご承諾ありがとうございます。

    そうですね、キドンの実年齢は明記しておりません。作者である私も、設定にはこだわっていません。
    強いていうならば、青年アルコよりは年上なのは確実です。

    今回は、前者の「おっさんと自称しても不自然ではない年齢」前提でお願いします。
  •  あ、完結後に載せるんでよかったんですね。じゃあ、完結まで書けたら連絡下さい! (連絡なかったときは最終回掲載された後に載せます)
  • 木下さん

    なんとか完結まで仕上がらせます!
    木下さんの二次創作見たさに!!!

    お互い行き違いがありましたけども、完結後掲載で腹をくくります!そうしないと、私の執筆がなあなあになってしまいそうなので!

    いろいろとわがままですみませんでした!
  •  フッ……ついにいい感じに2話後編も仕上がっちまったぜ! 
     心配なのはただ一つ……本編より良くなってしまわないかということだぜ! 貴様が吠え面をかく姿が見えるようだぜぇぇ……!(ゲス顔)

     まあ本編と矛盾が出たらどうしようかとは思いますが……そんな日もあったってことでいいんじゃないですかね……(突然自信なさげ)。
  • 木下さん

    最後急にしおれるのおもろすぎる笑

    にしても、二次創作がかなり良好のようですな!
    完結後に見せていただくつもりでしたが、やはりはやく読んでみたい!!
    木下さんがそんなにおっしゃるなら、吠え面かいてハンカチを噛み捨ててぇ!!

    やはり、完結前公開のほうがよろしいですかね?
  •  その辺はお任せします! ここぞというときに連絡下さい。
  • 承知しました!
  •  リクエストいただきましたのでまた送ります! 今晩中には送れると思うのでお待ち下さい。
  • 木下さん

    ありがとうございます!
    *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
  •  遅くなってすみませんが、今から貼っていきまーす。

     それはそうと(いや早く貼れよ)、キリがいい所ではあるけどここからが大変そうな所でもありそうですね。ビターエンド予定っぽいし……。
     まあこの辺で一息ついてムリせず行きましょう! こういう、走りながらいったんペースを落として回復する技をウマ娘(というか競馬)では「息を入れる」という(らしい)のである。

     あと、外伝についてお断りしておかねばならないが……
    (前半)前回よりむしろギャグに振りました! 正直、怒られるかな~という内容ですが……いや、動物になっちゃったらこういう状況あるって! (うちの猫を見てて思いつきました)

    (後半)本編と矛盾する内容があるかもですが……
    弓を使う部下に命令するシーンがあるけど、これはまあ「騎士でない兵士」に命令してるということで。本編でも弓使いを制止するシーンがあったのでこれはまあ矛盾ないか。
     だが……虎が吼えてるシーンがある……! キドンが喋れないなんて知らなかったんだよう(泣きごと)。
     無音で吼えてるのでもいいけど、個人的には吼え声の音が欲しい。虎化してるときは(どっちにしろ人語は発せられないので)吼えられるということで一つ……! 

     よく考えたら本編でも虎は吼えてない気もしますが! どうしてもダメならパラレルワールドということで一つ!

  •  (第2話 前編)

     偶像(アイドル)だとて厠(かわや)ぐらい行く。
     ましてや、一頭の肉食大型獣たる将が――何やら知らぬうちに何者かの恨みを買ったらしく、今は虎に身を変じているが。元は押しも押されもせぬ一軍の将である――厠に行かぬ道理はない。

     とはいえ、今は四足歩行の畜生たる身の上、人様の厠を拝借するわけにもいかぬ。よって、将は集落や兵舎から離れた、森の中で用を足すことにしていた。
     今日も今日とてうららかな木洩れ日の下、柔らかく掘り返した砂地の上で尻を地に向け、気を張る。どうやら今日の便は硬く、歴戦の将に取っても難敵といえた。
     ぎり、と奥歯を噛み締め体を震わせ、苦闘の中で下腹に力を込め、いざ勝負、という正にそのとき。

     向かいの茂みから木の枝をかき分け、青年が現れた。
     将と彼はいかにも気安い仲――敵国同士の将と騎士団総長としてではなく、人慣れした虎と人なつこい田舎青年、として――だが。青年は将の顔を見るや、あいさつもなく。手にしていた弓を取り落とし、自らの口元を押さえた。
     吹き出すのをこらえるように頬を膨らませ息を漏らし、肩を震わせて身を丸める。震える指で将を指した。

    「お、おまん(お前)……うんこすっときだけ、真っ剣なつらぐせ(表情)すっねぇ!」

     ――な――
     出かかっていたものもそのままに、将の身も顔も固まっていた。

     青年は将の気も知らず、肩を揺らして笑っていた。
    「いや~、たまぎった(驚いた)ばい……いっつもむぞか(可愛い)のに、こんなときだけ格好よか顔やけんね! はは、あっははは!」
     ばんばんと音を立て、膝を叩いて青年は笑う。

    「総長どん(総長殿)、どげんしもした(どうしました)?」
     青年の出てきた茂みから、ぞろぞろとむくつけき戦士どもが姿を現す。どうやら青年に率いられて、警備の任にでもついていたようだった。

    「そっがねえ、聞いてくいやい(聞いてくれ)――」
     青年の話を聞いた男たちは、揃って将の顔を見た。未だ、尻から大物を発射しかねている将を。
    「ほんのこて(本当に)」
    「そうじゃげな(そうだなあ)」
    「むぞかむぞか(可愛い可愛い)」
     口々にそういってうなずく男たちの目は、いずれも温かく緩んでいた。

     青年が声を上げる。
    「ほんのこて(本当に)! むぞか(可愛い)猫じゃねえおまん(お前)は! おいら(俺ら)ん偶像(アイドル)たい!」

     ――なっ――
     将は、そのまま――真剣な顔のまま、尻から出すものを出しかけたまま――固まっていたが。
     やおら、駆け出した。青年たちから逃げるように、森の中へ。尻から顔を出しかけていた物も引っ込んでいた。


     森を駆けながら思う。
     ――何でやねん! ちゃう(違う)、ちゃうねん! わし、そんなんやないねん! 

     用便を見られたのが恥ではない。将とて野戦の経験も多い、そうした折は穴を掘っただけの目隠しもない野壺で、将も兵も一物を放り出し尻をさらして用を足したものだ。

     ――ちゃうねん、ちゃうねん。わし……おっさんやぞ。ほんで今は虎やぞ。
     ――格好ええとか渋いとか、怖いとかやろ。可愛いとか無いやろ!! 
     ――何やねんうんこするときだけ真剣な顔やて! 何やねんうんこするときだけ格好ええ顔やて! 何っっでやねん!! 

     将は泣いた。涙は流さず心で泣いた。

     ――畜生……! 分からせちゃる。絶対に分からせちゃるわい、わしがほんまは格好ええっちゅうことを……! 

    そう心に誓った。泣きながら誓った。
    やがて思い出して、泣きながらうんこをした。



     次の日。
     兵らを率いて警備へ向かう青年に、偶然行き会った風を装い。その眼前にのしのしと、肩をいからせ風格を漂わせて歩んだ。そうして身を反らせ、体を大きく見せつつ、ごおう、と一鳴き。これで青年はともかくとしても、兵どもは震え上がるであろう。
    そうして、きり、と顔を引き締めて青年を見据えた。

     ――ふっ……決まった。決まりすぎておっさん、自分が怖いぐらいやで。

     そう思う間に青年は笑顔で歩み寄り、ぽん、と頭を一撫でする。
    「やあ、今日もむぞか(可愛い)ねえ」
     挨拶のようにそう言い捨てて遠ざかってゆく。

     ――な――
     将が固まる間に。一列に続いて歩く兵どもも、青年を真似たように順繰りに将を撫でていく。
    「むぞかねえ」
    「ほんのこて」
    「癒されっばい」

     ――な――
     ――ちゃう! ちゃうやろー!! 虎やぞわしー! 全自動癒し機ちゃうねんぞー! お前ら何で普通に撫でていっとんねん! 分かっとんかコラーー!! 

     将の上げた唸り声にも、青年は笑って手を振るだけだった。


     次の日。
     赤い血に口元を染め、血の滴る子鹿を口にくわえて。のしのしと将は兵舎の方へと歩いていた。
     獣としての、慣れぬ狩には難儀したが。スープを取った後のスジ肉や鶏ガラを恵まれるばかりの立場ではない、ましてや青年からポトフをねだるばかりの穀潰しなどでは。むしろ新鮮な肉を施してやる側だと、思い知らせてやろうと考えたのだ。

     果たして。自らの前に置かれた獲物を前に、青年は目を見開いた。
    「これ、おい(俺)にくるっと(くれるの)? あいがと(ありがとう)~!」

     笑顔を見せる青年を前に、将は、ふふん、と鼻を鳴らした。

     ――どや、見たかこわっぱ。おっさんがちょっと本気出したらざっとこんなもんや。恐れ入ったやろ。

     青年は将の頭を撫で、両手でもみしだくように撫で、顎の下を執拗に撫で。
    「よーし、ご褒美ばい! こいつで遊ばんね!」
     兵舎から乾いたモップを取ってきて、将の前で毛先を震わせた。

     ――ふんっ、なんやこんなもん。

     そう思いながらも将の手は、虎の前足は。目の前でちらつかされたモップの動きに敏感に反応していた。
     素早く前足を繰り出すもかわされ、また繰り出すもかわされる。

     ――おっ? おっ、おっおっ、おっ――

     空中で揺らされるモップに飛びつき。地を這うように振るわれるモップにじゃれつき。気づけば常にその毛先を目で追い、全身で飛びついていた。

     ――たっ……たーのしーー! い、いや違っ、ちゃうねん、こんなはずやない、こんなつもりやなかってん……! ――

     そうするうち、兵舎から出てきた兵どもに取り囲まれ、またも撫でくり回される。



     以来、将は森へと姿を消した。
     自らの格好良さも知らしめることができぬまま、あのような醜態をさらしてしまった。もはや、青年に合わせる顔がなかった。
     かといって、この体で故国へ戻ることは無論できぬ。
     将は森をさ迷った。轟くような唸り声を上げた。木がえぐれるほどに爪を研いだ。それでも気が晴れることはなかった。
     将は涙を流さなかった。背を反らして吼えた。誰に届くともない遠吠えが、常に森にこだましていた。


  •  (第2話 後編)

     しばらく経ったある日。
     青年の指揮する部隊は巡回警備中、敵たる大国の部隊と出くわした。相手方の目的は不明なるも、国境をわずかな距離とはいえ侵し、当方の領へと踏み込んできていた。
     幸いにも、というべきか。双方とも刀槍の届く距離で突如出くわしたというわけではない。ならば弓矢の出番かといえばそうではなく――敵方の侍大将は雅趣と稚気に富んだ人物であったらしい――、まずは古式ゆかしく言葉合戦が行なわれた。

    「ンだてめぇゴラァァ!」
    「何いちびっとんのじゃ(ふざけているのか)オラァァ!」
    「口から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタいわせたろかい!」
    「イキ(生意気)っとんやないぞシャバゾー(弱者共)がァァ!」
     大国の侍どもが古語を交えて奥ゆかしくのたまえば。

    「なぁいしょっと(何やってんだ)こんぼっけもん(この無謀な奴)がぁ!」
    「おじがっ(怖がる)とんのかオラァァ!」
    「びんた(頭)ん中どげなっとんじゃおまんら!」
    「おまんらの腹ん中、米詰め込んでえのころ飯(犬肉焼き蒸し飯)にしてあぐっぞ!」
     当方の騎士どもが礼法を踏まえてしめやかに返す。
     漲るような緊張感の中でメンチ(睨む視線)を交わしつつも、いにしえの戦場を思わせる雅やかなひと時であった。

     その中にあって、青年の表情は曇っていた。
     彼我の戦力差は大きい、まともにぶつかれば飲み込まれるであろう。言葉合戦で時間を稼ぐ間に増援を呼びに行かせたが、それも間に合うかどうか。また、向こうとてさらなる増援を募るやも知れぬ。
     いかにして奴らの侵攻を食い止め、かつ、生き延びるか――。

     副長が隣で言う。
    「総長どん(総長殿)、どげんしもんそかい(どう致しましょう)?」

    「そうじゃね……」
     しばしの後。青年は、からりと笑った。
    「ほんのこて(本当は)。泣きごとゆて(言って)もどろごちゃっ(帰りたい)」

     副長は目を見開き、口を円く開けたが。すぐに破顔した。
    「さすが総長どん、わやっ(冗談)が上手かばい!」

     やり取りが聞こえていたのか、こわばっていた兵どもの顔がわずかに緩み、固いながらも笑みが広がる。
     ――それでいい、そのために大きな声で言ってやったのだ。
     だが一方で、青年の奥底の本音でもあった。胸の奥、腹の底に沈めた泣きごと、小さな小さな本音。
     ――こんな危険な任務、放り出して逃げ帰りたい。今すぐ布団にくるまって、胎児のように丸まって眠ってしまいたい。できるものなら。

     その小さな、けれど確かな本音を握り潰し。青年は兵どもに、歯を見せて笑いかけた。
    「せわ(心配)すんな、おい(俺)が死んじゃる。じゃっどん(だが)、ただじゃあ死なんばい……奴らんチェスト喰らわして、どしこでん(いくらでも)道連れたい!」

     兵どもがそれぞれうなずき、力のこもった笑みが広がる。
     それを確認した後、青年は準備運動をするかのように両手の指を何度も握っては開いた。指の震えを悟られぬように。

    「おい(俺)がいっばん(一番)前に陣取る、あすこん(あそこの)茂みと木の陰に。そっかい(そこから)射かけりゃ、敵ん狙いはおい(俺)一人によっ(集まる)と」
     皆の顔を見回した後、続ける。
    「その間におまん(お前)ら、左右からめいっぺ(目一杯)射かけてくいやい(射かけてくれ)。そんで敵が崩れ次第、槍隊がチェストかましてくいやい」
     抗議の声が上がるのを青年は目で制する。
    「こや、げっだ(これは、命令だ)。頼ん(頼む)」

     言葉合戦が終わり、配置に着き。侍どもも騎士どもも、無言で矢をつがえ槍を構える。戦士の鎧が擦れる音、弓士が足下の土を均す音、そんな小さな音が響くように聞こえた。
    痛いほどに、静かだった。
     青年は茂みの中で、弓の弦を引き絞ろうと力を込めた。未だ震えの、やまぬ指に。

     轟くような、声が響いた。
     青年の声ではない、侍でも騎士どもでもない。人語ですらなかった。雷の響き、遠雷の唸りにむしろ似ていた。

     虎が、唸っていた。いや、吼えていた、いや――泣いていた。涙は流さず、地を踏みしめ喉を反らし天へ向け、泣いていた。轟くように泣いていた。両軍の間、双方を等しく見下ろす岩の上で。
    これから流される血を思い、失われる命を嘆いてであろうか。避けられぬ定めを憂いてであろうか。虎はその身を絞るように遠く吼え、泣いていた。天地を貫くように泣いていた。

     青年は弦を引く手を緩め、虎を見上げていた。
     気づけば、敵も味方も誰もが、虎を見上げていた。



     虎は、将は、泣いていた。
     誰のためでもない。故国の侍どものためではない、青年の国の騎士どものためでもない。青年のためですらなかった。
     自分のために泣いていた。我が身の哀れさに泣いていた。運命を呪って泣いていた――それはただの、泣きごとであった。

     異人種の出とはいえ故国のために尽くした我が身が、なぜ恨みなど買う道理があるのか。
     一人前の男がなぜ虎畜生なぞに堕し、四つ足で往来せねばならぬのか。
     故国の男たちには恐れられかつ敬われた、鬼の如き我が身が。なぜ大猫扱いされて、青年に可愛がられねばならぬのか。
    あまつさえ、真剣な顔をするのは糞をするときだけ、などと言われねばならぬのか。男どもに寄ってたかって撫で回されねばならぬのか。

     さらには今、故国の軍と青年の軍を目の当たりに、こんな泣きごとをただ吼えている。故国の者どもの中に戻れもせず、青年の国の者らへも今さら入ってはいけぬ。
     さらには、いっとう情けないことには。そんな定めを定めとして、受け止めることがさっぱりできぬ。受け入れることが全くできぬ。男として武人として当然そうすべきことが、一欠片もできてはおらぬ。
     何より。そんな顔を、あの青年にさらしている。

     ――なんちゅうさもしい人間や。なんちゅうつまらん人間なんや、わしは。
     ――いや、今は畜生や。なんちゅう小っさな虎畜生なんや、わしは。
    ――なんちゅう情けない畜生や、わしは。畜生。

     虎は吼えた。将は吼えた。硬骨の将が未だかつて漏らしたことの無い、一生一度の泣きごとであった。裸の虎の泣きごとであった。



     見れば。今や侍に騎士どもに、刀槍を構えている者など一人もいなかった。その切先はしおれたように、力なく地につけられていた。
     青年の弓も同様だった。引き絞るはずの手に力はなく、引き絞られるはずの弦には何の張りもなかった。

     男は皆、女々しい。判で押したように等しく女々しい。それを皆、矜持という名のポケットの底に押し込めているだけで。
     虎はそれを開いて見せた。裸の虎にポケットなど無い、一物も尻も丸出しなのと同じく、どこにも隠しようなどない。
     一世一代の泣きごとであった。男たち全ての泣きごとであった。天も地も貫くが如き、裸の大泣きごとであった。


     気づけば。気の乗らぬ遊びに興が冷めた悪童たちのように、侍も騎士も無言でうつむき、三々五々と散っていった。それを後追いするように、敵の侍大将と、騎士団長たる青年の、退却の号令が辺りに響いた。



     ――その後。
     虎が、将が、そして青年がどうなったのかは分からぬ。何しろ原作がそこまで進んでいない(これを書いている時点で)のだからさっぱり分からぬ。
     将が人に戻れたのやら戻れなんだのやら、青年の下に戻ったのやら離れたのやら、その辺りもとんと分からぬ。

     ただ、青年はいつか思い出したであろう。
     あのときの虎は、将は、全てを絞り出してしまったかのようなその姿は。何よりも格好良かったと。
     無論、うんこをしているときよりも。


    (おしまい)


  • 木下さん

    またすばらしい創作をありがとうございます!
    前編で「虎のう◯こ」でおもしろかったところを、後編で一気に闘志みなぎる硬派寄りへ持ちかけましたね!
    すごいです!

    また、アオトラ外伝にて公開させていただきますね。
    前編・後編ともに長文なので、それぞれ二部ずつにわけて、順次更新していこうと思います!

    一応、更新頻度は、不定期更新な本編を踏まえて、週一を予定していますが、木下さんが「いや早よ公開せんかい!」とあらば一挙公開も可能です。
    いかがいたしましょうか。
  •  喜んでいただけて良かったです! ネタが下品なのでちょっと不安でした(笑)。
     更新の仕方はお任せします!
     今回(特に後半)を書くに当たり、兵士+虎のコンビということでうっすらと『皇国の守護者』(特に漫画版)をイメージしました。重厚な戦記かつ虎がカッコかわいくてオススメです。
  • 木下さん

    更新、了解しました!

    『皇国の守護者』、知らなかったです!
    縁があれば、読みたいですね!

    このたびは、ありがとうございました(^ ^)。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する