「二人の玉座」最終章、6話を更新です。
マーカスが、古巣のヘリオスに帰ってきました。
ファンドの、技術レビュアーとして。
見覚えのある顔、新しい顔。
そうした中、すれ違う二人。
軽く会釈だけして、言葉もかわさない。
彼女は振りかえらない。
それでも、目で追ってしまう。
もちろん、ペナンに戻ればバネッサ先生が待っているし。
もう終わったことだとは分かっているんです。
でも、男というのは、ギリシャ神話でいえばオルフェウスとエウリュディケ、本邦でいえばイザナギとイザナミの時代から。
去っていった女を追いかけて、あまつさえ「見るな」といわれていても振り返ってしまうものなので。
手放したものの行方を、失った過去を、つい確認してしまう。
業とでもいうべきでしょうか。
