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桜城プロトン

  • @DNK717
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  • 3日前

    『あなたの死が、私の答えになる』~声にならない問いは、どこへ行くのか。

    胸に深く沈んだ思いほど、言葉として浮上させるのは難しいものです。 好きな作品を読むたびに、この人はどうやってこれを言葉にしたんだろうと考えます。 胸の奥にあるものに手を伸ばして、その形……いや、形のあるものかどうかすらわからないけど、 その感触に手を伸ばして、それを文字に置き換える。 その過程が途方もないことに思えて、ずっと読む側にいました。 だから、言葉や小説が好きで、自分でも書いてみたいと思いながら、長いあいだ書けませんでした。 形になりそうな気配まではあるけれど、掬い上げた瞬間に別のものになってしまう気がしていました。 それでもようやく、こうして書いてみることにしました。 ……するとどうでしょう。 今度は登場人物たちが、ほとんど喋りません。 この物語の二人は、核心に近いものほど言葉にしません。 男は本当に聞きたいことを声にしない。 言葉で尋ねても答えにはならないと、どこかで思っているから。 作家は言葉を扱う人間のはずなのに、自分に向けられているものの正体を、言葉で確かめようとしない。 一番大事なことが、二人のあいだで言葉として交わされないまま、物語が進んでいく。 けれど、声にならなかった問いは消えるのではなく、別のどこかに現れる。 そのことを、書きながら知りました。 結果として、私の小説は地の文がとても多い形になりました。 ちょうど第一話を公開する直前、創作界隈では「地の文とセリフのバランス」という話題が盛り上がっていました。 なかなかのタイミングで、目に入るたびに、正直自信をなくしたりもしました。 それでも公開してみると、読んでくださる方がいました。 こうして読んでいただけていることが、とても嬉しいです。 本編はあと一話です。 最後まで見届けていただけたら幸いです。
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    • 2件のコメント
  • 5日前

    『あなたの死が、私の答えになる』~愛の夢 第3番

    この物語は、リスト『愛の夢 第3番』を聴きながら書いています。 甘美で華やかな曲として知られていますが、 原詩はこのような言葉で始まります。  愛し得る限り、愛せ  やがてその時は来る  墓の前に立ち、嘆く日が 愛の甘さのすぐ隣に、あらかじめ喪失が置かれている。 この物語もどこかで同じ構造に触れているのかもしれません。 美しさが極まると、わずかな不穏さが生まれることがあります。 『愛の夢 第3番』の長いレガートも、 幸福そのものというより、 永遠に届かないものへの渇望のようにも聴こえます。 長い旋律の下で左手のアルペジオが絶えず揺れ続け、 夢と現実の境界が、少しずつ曖昧になっていくような響きです。 第三話では、 男の部屋を埋めていく本の背表紙が 「無数の墓碑」のように見える場面を書きました。 死を記した言葉を読み続けることは、 その墓碑の前に立ち続けることにも似ていると思えました。 この物語の彼は、とても静かです。 けれど、その静けさの底には、消えない時間が沈んでいる。 音楽は直接のモチーフではありませんが、 書いているあいだ、ずっと背後にあった旋律です。 よろしければ、読後の余韻とともに聴いてみてください。 同じ曲でも、弾き手によって響きはまったく違います。 どの旋律がイメージに重なるかは、 聴く方それぞれに委ねたいと思います。
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  • 3月3日

    『あなたの死が、私の答えになる』~白い月の話

    この物語に時間を預けてくださり、ありがとうございます。 第一話は、皆既月食の夜。 第二話では、時間を遡り、男の喪失を辿る物語を描きました。 静かな回想の中で、 彼の中に終わらず残り続けているものを書いたつもりです。 ✦ 今夜3月3日は皆既月食でしたが、あいにくの空模様でしたね。 ここで少しだけ、月の話を。 科学の話は今はいらない、という方は、 そっとページを閉じていただいても大丈夫です。 第二話の最後、 午後の光の中でガラスに白い膜を落としていた月は、 上弦の月をイメージしています。 上弦の月は、少し前まで地球がそこにあった場所です。 (もう少し詳しく言うと約三時間半ほど前の地球の場所ですが、 ここでは軌道計算はやめておきましょう。) だから私は、上弦の月を見上げるとき、少し前の時間を思い出すような感覚になります。 彼もまた、白い月を見ながら、 さっきまでそこにいたかのように彼女を思い出していたのかもしれません。 物語はもう少し続きます。 次話も、どうぞよろしくお願いします。 画像は、第一話の扉絵イメージです🌕
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