• 現代ファンタジー
  • 異世界ファンタジー

国より先に死んだ文字 第8話 『一九三七年、名を抜く』 挿絵

 数日後、印刷所に一枚の指示書が回ってきた。文化省の年鑑に掲載されている功労者一覧から、数名の名前を削除するようにという内容だった。名前の一つに、あの配給部門の係員のものがあった。

 指示書には、削除の理由は書かれていなかった。ただ、対象者の氏名と、掲載されている版の番号だけが、事務的に列挙されていた。ダンザンは、その一覧に、見覚えのある名前がいくつも並んでいるのを見つけた。配給部門の係員の他に、前年に功労賞を受けた農業指導員、街の学校長、そして、ダンザンが一度も会ったことのない、遠方の村の指導者の名も含まれていた。それぞれの名前の下には、赤い線が、事務的に一本、引かれているだけだった。

第8話 『一九三七年、名を抜く』
https://kakuyomu.jp/works/11054822662889703133/episodes/11054822662928391204

参考
RUSSIA BEYOND
写真から消えた人々:スターリン式プロパガンダ(写真特集)
https://jp.rbth.com/history/80946-stalin-jidai-ni-shashin-kara-kieta-hitoboto

【なんと粛清の対象に本当に国立印刷所長が含まれていた】
1938年8月末までに、他にも「反革命分子」が逮捕された。それには、(中略)国立印刷所長ホヴァリグ・トトカン(中略)が含まれる。
CYBER LENINKA
https://cyberleninka.ru/article/n/political-repressions-in-the-tuva-people-s-republic-was-it-possible-to-avoid-them

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する