四季「秋雨」
「君と居た季節から秋雨が来る、そして痛み、心に秋雨が来る」
あの日以来 言葉にならない痛みが体内で脈打っている。
君と一緒に過ごした季節は心地良い。
いつも柔らかな日差しとともに蘇る 。
なのに今年の季節は妙に早く終わり 秋雨の湿り気を連れてきた。
皮膚にまとわりつくような湿度と同じくらい 心の中に居座るこの痛みは根深い 。
窓ガラスを打ちつける雨粒 一つ一つが溜まって水滴となり流れ落ちる 。
まるで僕の感情みたいだ 、抑えきれなくなった感情。
僕は「もう疲れたんだ」
これは、何の疲れなのだろうか。
枯れた日々の負担なのか 、それとも自分自身との戦いで限界だったのか 。
確かめるべく、 あの季節を思う。
ベランダに咲いたアジサイが 、濃紺から薄紫へと変化していく。
君と過ごした、あの日、ピンク色だったのに。
そして、また「季節」は巡る。
そして、新たな季節へ。