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M-Role代替投入時におけるLHS内人格挙動記録 について少し解説

《M-Role代替投入時におけるLHS内人格挙動記録》は、
胎識院(GCF)初期型において行われた
代替母性試験の記録です。

前回の事例では、
M-Role の消失が
仮想環境内であっても
現実同様の「喪失」を引き起こすことが確認されました。
本ログは、その対策として導入された
**代替母性プロトコル(AMP)**の結果を扱っています。

AMP は、
M-Role の情動応答波形・反応遅延・声調・接触パターンを
完全に再現する AI モジュールです。
数値上、また行動上の評価において、
代替体は“完全に機能していました”。

それでも試験体は、
それが「代替」であることを理解していました。

重要なのは、
試験体が混乱や拒絶を示さなかった点です。
代替体を受け入れ、
人格形成も安定して進行しました。
それでも、失われたものは回復していません。

この事例が示すのは、
代替母性は
人格の崩壊を防ぐことはできても、
喪失そのものを無かったことにはできない、
という事実です。

胎識院はこの記録をもって、
「完全な再現」と
「取り戻すこと」は
同義ではない、という結論に至ります。

本編では語られない、
技術としては成功し、
人間性としては失敗した実験の記録として、
外伝という形で公開しました。

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