カクヨムを始めてからずっと考えていたことがあります。
それは、自身の執筆と、他の方の作品をじっくり味わうことの両立は想像以上に難しい、ということです。
一作品に深く入り込むほど自分の執筆時間は削られ、かといって表面だけをさらりと読んでは「しっかりと読めておらず申し訳ない」というジレンマに陥りがちです。
そしてこれは、読者の皆様も同じではないかと思います。日々多くの作品が更新され、ご自身の生活もある中で、まだ無名の作者の作品を隅々まで熟読していただくのは決して簡単なことではありません。
現在執筆中の『Jardin miniature』は、何気ない台詞や出来事が後になって意味を持つ構成にしています。ただ、作者が「ここは重要だ」と意図して書いても、初見ではただの一場面として通り過ぎてしまうことも多いはずです。
そこで、物語の核心は避けつつ、少しだけ作者から「読み方のヒント」をお渡ししようと考えるようになりました。
「ここには仕掛けがあります」「この台詞は後につながります」といった、答えそのものは明かさずに「もしかしたら覚えておいた方がいいのかも」と思ってもらえる程度の小さな解説です。
例えば、第一章のep002とep029には、意図的にリンクさせた台詞があります。
ここで詳細を語りすぎると先の展開を楽しむ余地を奪ってしまいますが、何も言わなければ意図に気づかれないかもしれません。
その間を取るため、今後は章の区切りなどで少しずつ“作者の意図”をお伝えしていきます。正解発表というより、作品をもう一歩深く楽しんでいただくための“小さな案内板”のようなものです。
もちろん、本編だけを読み進めていただいても全く問題ありません。
ただ、物語が進んだあとに読み返し、「……あれ?これってもしかして」とお気づきいただけたら、作者としてこれに勝る喜びはありません。
『Jardin miniature』は、最初に読んだときと、真相を知ってから読み返したときとで、景色が少し違って見える作品にしたいと考えています。
よろしければ、これから少しずつ置いていく『小さな案内板』を、本編と併せてお楽しみいただけますと幸いです。