数ある企画の中から、再び(あるいは初めて)見つけてくださり、ありがとうございます。
主催者の私は、言葉というパレットを使って、心の中の景色を写生する楽しさに魅了されている初心者です。
前回の第12回「オノマトペ」では、言葉そのものの「音の響き」をのびのびと楽しむ魔法に挑戦しました。部員の皆様が部室に持ち寄ってくださった、心地よくて賑やかなリズムや、独自の愛らしい造語オノマトペたち。それらが溢れる作品に触れ、まるで賑やかなお祭りのあとのような、温かく晴れやかな余韻に包まれた贅沢な時間を本当にありがとうございました!
今回は、そんな前回ののびのびとした楽しさをベースに、私たちの「見慣れた日常」にちょっとした言葉の魔法をかけて、世界をハッとするほど新鮮で、あるいは不思議な場所へと変貌させる技法に挑戦してみませんか?
■ 今回のテーマ:異化(いか)
「異化(いか)」とは、私たちが普段当たり前だと思っている「日常」や「ありふれた事物・景色」から日常性や常識のルールをあえて剥ぎ取り、まるで初めてそれに出会ったかのように、新鮮で、奇妙で、あるいは少し不思議なものとして描き出す表現技法です。
第12回の応援コメントでも少しだけ触れていた、あの「見慣れた日常の記号を全く別の未知なる空間へと変容させる感覚」を、今回はお題としてみんなで楽しんでみたいと思います。
言葉にすると難しく聞こえるかもしれませんが、実はとっても不思議でワクワクする表現です。
例えば、以下のような描写をイメージしてみてください。
・例:
「朝ごはんにベーコンエッグとトーストを食べて、家のドアを開けた先、一面に広がる何もない砂漠の景色の中、ひっそりとたたずむ電話ボックスに向かう。私はその受話器から聞こえる、地球の鼓動の音が大好きだ。」
・効果:
誰もが思い浮かべられる「朝食を食べて家を出る」というごく普通の日常から物語が始まり、ドアを開けた瞬間に「何もない砂漠」「地球の鼓動が聞こえる電話ボックス」という、現実のルールが少しだけ歪んだ非日常へと境界線なく繋がっています。このように、当たり前の景色に小さな「亀裂」を入れることで、読者の心に強烈な印象や、ハッとするほど新鮮な余韻を残すことができます。
「『部屋の鍵をかける』といういつもの動作のあとに、世界の終わりを告げる音が静かに響く様子を描いてみよう」「いつもの通学路の曲がり角を曲がったら、そこが全く別の静かな森に迷い込んでいた瞬間を切り取ってみよう」など、常識の枠を優しく(あるいは少し不穏に)飛び越えてみる、実験的な気持ちで大丈夫です。
私自身も「この当たり前の風景に、どんな不思議な絵の具を落とそうかな?」と、自分の頭の中を覗き込むような気持ちで投稿します。
■ 補足:「これまでの技法」との組み合わせ
「異化」は、これまでに文芸部で練習してきた技法とも非常に相性が良いです。
・擬人法(第5回): モノに心を与えることで、そのモノの視点から人間を「異化」して見つめる。
・共感覚表現(第11回): 感覚をブレンドすることで、日常の「音」や「光」を全く新しい質感として「異化」する。
もちろん、難しい定義は脇に置いておいて、あなたの直感が選んだ「日常がガラリと変わる瞬間」を置いていってください。
■ 参加ルール(ゆるく、心地よく)
・形式: 詩、散文、短歌、小説の一部など、形式は自由です。
・内容: 異化(見慣れた日常をあえて奇妙で新鮮なものとして描き出す表現)を意識したフレーズや展開が一つでも入っている作品。
・交流について: 読み合いや感想の強制はありません。「練習作」や「書き置き」として置いていくだけで大丈夫です。
⚠️ 【主催者から大切なお願いと注釈】
・内容に関するお願い
政治や宗教、犯罪、過度な暴力や性的表現など、少しコメントしづらい内容の作品に関しては、読ませていただいても応援メッセージなどを控えさせていただく可能性がございます。あらかじめご了承ください。
・作品の「再参加」に関するご注意
過去に参加された作品を一度取り下げて「再参加(再投稿)」などされた場合、システムの仕様上、最新のリストではなく過去の位置に埋もれてしまい、主催者が気づけない場合がございます。こちらもあらかじめご了承ください。
・話数について
主催者の確認時間の都合上、10話を大幅に超える長編作品については、すべてに目を通すことができない可能性がございます。参加は大歓迎ですが、その点だけご了承ください。
■ 主催者より
初心者の方も、ベテランの方も、どうぞ気楽に部室のドアを叩いてください。
「見慣れた世界に、ほんの少しの亀裂を入れる。それだけで、日常は果てしない物語へと語り始める」。そんな言葉の魔法を、みんなで机を並べて楽しめたら嬉しいです。
皆様の豊かな感性が描き出す、新しくて不思議な異化の物語を心よりお待ちしております。
参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「【自主企画】第13回カクヨム文芸部 ── お題:異化(いか)」を選択してください。
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