「ブロマンス 耽美」を含む小説

高校二年生の松平葵（まつだいら あおい）は、クラスの隅っこで読書に耽る優等生。放課後は一人教室に残り、勉強をしていることになっているが、実際は趣味で小説を黙々と書いている。 梅雨…

王のために優れた芸術家ばかりを集めた宮舎にて、一人の詩人が死んだ。 同郷出身の名もなき衛兵に捜査が任じられるが、彼は死体の傍らにあった『遺書』らしき詩に違和感を覚える。自らの直感…

アルノルト王国を守る騎士団団長のリヴィアは、国を治める女王に狂気と酷似した忠誠を誓っている。年若い彼の才能は誰かにも劣ることなく、他人の目を惹くものがあった。 しかし彼の幼馴染で…

吟遊詩人のケルウスと、もと男娼の絶世の美青年コルヌ。 二人がやってきたのは、錬金術の都ドルドーバ。華やかな街で評判になっているのは、錬金術師たちの憧れホムンクルス（人造人間）を…

　蓮国の第一皇子で皇位継承者である威晩（いばん）皇子は、貧民窟で美しい男（蒼空）が、ごろつきに殴られているところから救いだした。 　どこか儚げで美しい蒼空に、威晩は奇妙な感情を…

悪魔、天使、死神……様々な生き物が人間と交わる神舞伎町で、悪魔のザインと天使のノアは同族を狩り、その肉を調理して食べる異端として生きている。 しかし、謎の悪魔からザインが渡され…

故・藤尾瑛臣氏の晩年作品。 最晩年の作品のひとつであり佳編とされる短篇。 藤の季節、「彼」からの手紙を頼りに向かった山奥で見たものは藤の咲く屋敷と……。 ＊ 本稿初出：『玉紫‐藤…

ある国の王子と従者の物語。 この国の王族には侍童《じどう》といって、子供の頃から主従関係を結んでともに育つ近侍を選ぶ風習がある。今の代の第一王子リオナールにもヤヌスという名の侍童…

ある日、神が殺された。 以来、村には不死者が徘徊する。村人を襲う不死者の正体は？　その目的は？ 竜神の神殿の村レクシアに訪れたのは、吟遊詩人のケルウス。娼館のコルヌに助けられ、…

持つ者は持たぬ者に分け与えよ。それは貴族に生まれた者の使命である―― 蒸気機関が誕生し間もなく栄華を誇った大帝国。 伯爵の父が倒れ、家の存続が危うくなったジェンスは、貴族間で孤児…

愛する人が死んでしまう宿命を持つ薄幸な美青年ワレスは、過去に犯した過ちのため、自堕落に暮らしていた。 だが後見人の女侯爵ジョスリーヌに頼まれて、しばしば謎めいた事件を調査するハメ…

　人間と吸血鬼が戦争を繰り広げる世界。戦地から遠く離れた田舎、クローゼ村で生まれ育った青年レクスは、首都の大学へ進学する為に毎日教会に通って勉強に励んでいた。 　全ては戦地に向…