「短編 掌編」を含む小説

冬の大三角形を思い出しながら、わたしたちは屋上で星を見ていた。 掌編です。

世界から炎が失われ、雪が降り続く大地。 その中でただひとり、炎を扱える“燃素の少女・フィズ”は、力を使い、村に炎を届けて回っている。 極寒の地で罪を背負い守衛として生きる男は、偶…

短編にも満たない作品集。話は繋がっていないので、興味のある話から読んでいただきたい。 新作を書く上で練習のために書いた作品たちや、同じテーマかつ趣味で作成したものを披露する場であ…

奇想天外博物館です。本館では、特異なものばかりを扱っております。 短編集です。

人は、言葉ではなく、香りで誰かを思い出す。 いま触れられない誰かの影は、ふとした風の温度とともに蘇る。 毒のように残る香り。 触れた瞬間に消える香り。 そして、自分だけを守るた…

　最低五分からできるバイトだった。 　自転車バイト……ただし、自転車に乗るバイトではない。 　乗らないバイトだ――……はい？ 　つまり歩行者として、町を歩いてほしいとのこと。 …

ブラック企業ホラー（※閲覧注意） 俺の名前は、楠木穣一。五十五歳。 営業部長を務めている。 十二月。 あと数日で、今年の業務は終了する。 この時期、部長である俺の使命は、た…

友人の死をSNSで知った。 彼女の苦しみにどうして気付いてあげられなかったんだろう。 後悔ばかりが、胸に残る…… 『行き場のない人生の行く先はやはり惨めで惨敗ばかりでした。』 …

　朝起きて「あぁやっぱりか」と、覚悟はしていたものの深い絶望を感じたのは、吐き気と頭痛が治っていなかったためである。 　年の瀬。自然と増える酒の席。平日休日関係なく繰り広げられ…

　“私”は毎晩寝る前に、体を洗い、身なりを整え、部屋が片付いていることを確認する。そして一発だけ弾薬を込めた銃を手に取り、口の中に突っ込んで引き金を引く。その真意は、決断を偶然に…

　踏切、酔っ払いがくだを巻いていた。 　道中、小学生に「大人びてるなぁ」などとひやかし、周りの空気はひりついていた。しかし誰も彼を咎めようとしない。一般的な良識を持つ人間が一人…

恋をしたことがなかった「わたし」は二十七歳の夏、同僚を介して知り合った藤村広に初めて心を揺さぶられる。広には「隠している一面」があって……。

東京出張の夜、温かいものが欲しくて入った博多料理店で、ショートカットの女性と出会う。 人懐っこい笑顔の奥に、どこか虚ろな気配をまとった彼女は、食事を避け、香りだけを身にまとうよう…

30秒で読めるＱ&Ａ 簡単なミステリ、あるいはクイズ、そんな推理掌編 日常の謎、多め 物語に隠された意味、意外な真相

ワード系のボードゲーム「ガムトーク」を用いたショートエッセイ企画第二弾 【「ガムトーク」とは？】 ワード系のボードゲームを制作している「角刈書店」が手掛けるトーク系ボードゲーム…

さくっと書いた掌編三作セット。さくっとお読みください。

“妄想病棟”という奇妙な治療施設。 主人公を迎えたのは優しい声を持つ莉々香だった。 柔らかな手、耳奥に落ちる微細な電流。 孤毒を抜くはずだった治療はやがて彼の世界を静かに歪めてい…

雨の日に傘を貸しただけなのに、ほんの少し世界が優しくなった。 星屑のような小さな縁の物語。

話がふくらまなかったもの、オチのないもの、趣味に寄りすぎたものなど、いろんな理由でノートに眠ってたやつ。 暗め、重めのもの多し。 蟄居――重荷を負って海にやってきた者 明滅―…

私達には様々な記憶があります。成功や失敗、嬉しかったこと辛かったこと、涙を流した時寄り添ってくれた人のこと傷つけてしまった人のこと。 その温度は私たちの心を色づけていきます。いつ…