「音について」を含む小説

ゾンビパニックから3年、何とか荒廃した世界にも慣れ、一人で平和？に暮らしていた人間不信の自称おっさん安楽田　陽（あらた　よう）はある日、ゾンビに襲われていた少女を成り行きで助けて…

旅行帰りの車内。 楽しい思い出を語り合いながら高速道路を走っていた二人は、ふと都市伝説の名を口にする――“ターボババア”。 それは笑い話では終わらなかった。 窓を叩く音、外に並…

生まれながらの才能ではなく、「欠けたもの」と共に戦う高校球児たちがいる。 主人公・坂倉敬人は視力の大半を失い、「音で世界を視る」能力を研ぎ澄ませた投手。吃音の捕手、麻痺を抱えるシ…

俺の名前は。〝天音アスト〟 現在はアルキオネの艦長を務めている。 あまり目立ちたくない性格のおかげか、参加した戦場から全てひっそりと無事に生還している。 未だ人類は、謎の宇宙怪…

　魔王の魂、それが体内で結晶化して作り出された『ファントム』。その魔力を利用するために作られた魔王炉』。魔王炉はセオドール王国に結界を張り巡らせ、王国全体に魔力を供給する事で繁栄…

夏の夜、ぬかるみに足を取られたのは――心の方だったのかもしれない。 明治の片田舎を舞台に描く、奉公童女と子供たちの一夜の怪異。 静かな恐怖と救いが交わる、幻想譚『ぬかるみ ― …

五〇を目前に控えた独身男性の小田島彰。 地方出身の彰は地元への帰郷が視野に入っている。 その中でクラブで出会った女性・彩音に一目惚れするが……。

どこかの占い師が残した、人類滅亡の予言。 それを全く信じない良介と、ちょっとだけ信じてしまっている花音。 「やばっ。そういえばあと一週間で、人類滅亡じゃん」 「勘弁してくれ、花…

この世界は能力が全てだった。能力の有無で差別され、スラムに追いやられる。 そんな世界に絶望をしていた少年──無能力者の望月楓のもとに、世界を変えると豪語する不思議な少女、美原奏音…

戦国の闇に生まれたひとりの忍がいた。 名を蓮（れん）。 笛の音ひとつで敵を屠る、影の刺客。 だが、彼の胸の奥には消えぬ旋律があった――母が唄った子守唄。 滅んだ一族、奪われた故…

社内チャットに流れた〈EXEC_DONE〉—いつもの締めの合図が、なぜか空調や扉を連動させた。本文そのものに瑕疵はない。だが“読みやすさ”の作法や順序、視線や呼吸の置き方が、別の…

音が生まれた。 それはまだ“言葉”にも“メロディ”にもならない、 ただの震えだった。 けれど、その震えが誰かの胸に触れた瞬間、 時代が動き出した。 デビューから三十年。 Mr.…

――音は、永遠を喰らう。 けれど、歌は愛の形を残す。 田舎町に佇む“悪魔の館”。 そこでは少女たちが、ひとり、またひとりと消えていった。 その夜、彼女たちの声だけが、館の中で歌…

　異世界で魔王を討ち、女神に祝福され、国一つ救った。 　けれど――目を開けたら、そこは蛍光灯の光がまぶしいオフィスだった。 　スーツにネクタイ、PCの起動音。 　名刺交換、上司…

小学生女子、夏子と菜々美の放課後の一コマです。 990文字のほんの小さな物語です。 今回は「色」をテーマに書いてみました。 この短い物語の中に全部で七つの色が出てきます。 クイ…

過去の鎖を断ち切り、新たな「網の目」へと自ら足を踏み入れた者が、ただひたすらに、孫の声という「風」の音を求め続ける、深く、重い余韻を残す物語。

ノックノック。 その男は突然やってきた。

無名配信者・神田湊は、伸び悩むチャンネルを抱えたまま、公認ダンジョンの低層を生配信している。 ある夜、画面には誰も映っていないのに、マイクだけが剣戟と風切りを拾った。 コメント欄…