「凍える」を含む小説

『鳴り忌み』に登場する早瀬凪。彼の少し頼りなくも優しい佇まいの裏には、幼い日に経験した忘れ得ぬ出来事があった。 幸福な菜の花畑の記憶と、全てが一変した夜。両親を失い、四歳で瑞風堂…

夕暮れ、ぼちぼちと動き出し、いつもの飲み屋へ歩く。 夕陽を背に、公園を抜けてゴミだらけの路地を渡ると、掃き溜めとなっている高架線に着く。そこに建っているボロボロの家屋がそうだ。…

震えるような気持ちは心が温かいから？それとも凍えるように寂しいから？『またね、大好き』をテーマにしました。

1年前、恋人の香苗が突然失踪した。 事故か事件か――それすら分からないまま、残された慎司は日々の生活に虚しさを抱えていた。 ある晩、公園で拾ったスマートフォン。 誰もいないのに…

冷たい夜、外は凍える冬の世界。しかし、布団の中は違う──ここは俺だけのダンスフロア！「寝返りターン」「布団ウェーブ」「フットスルー」……華麗な技を繰り出し、完璧なリズムで舞い踊る…

ここではない、どこかの場所の物語。 奈落よりのものを駆逐するアリアンフロッドの戦士、夕里菜と郁歌はダンジョンを探索し、フロアボスである"凍える斧"との対決を果たすのだが……。

相手の心変わりを理由に一方的な婚約解消を宣告されたアニエス。失意と悲痛に苛まれる日々を過ごすこと約一年。そんなある日、ふらりと訪ねてきた叔母に園遊会への出席を打診される。 手渡…

美しい天使はいつだって凍えている。 三浦悦子さんらの作る、現代の球体関節人形の完成度に感動して思わず書いてしまった短編集。ものすごく、本当にものすごく好き嫌いのある話ですので…

　ここは神秘と呪いの源泉の地、エレノア大陸。 　エレノア大陸には原始の精霊、馴染み深い獣、そして愚かな人類が住み着いている。 　これら生きとし生けるものが穢れると、それらは『魔…

冷たい世界に沈もうが、助けに行くよ。 香鳴裕人様の[第2期] 同題異話SR -Jan.- 『凍えるほどにあなたをください』に参加させていただきました。 「凍えるほどにあなたをく…

　凍えるように寒い雪の夜、妻と幼い娘が待つ家へと向かう男は、途中にある自販機で温かいレモンティーを買おうと考えた。しかしホット商品は全て売り切れており、男は己の不運を嘆きながらも…

寒風吹き荒び、凍えそうな鴎見つめ泣いていました　冬という季節をテーマにした、冷えた手足がほんのり温まるような短編集です。

　僕は困窮する人々を救う、キャラバン隊の一員だった。 　その中心人物だったと言ってもいい。 　だけど、僕は故郷を救うために仲間と別れる事を決めた。 　あの日、別たれた道が、運命…

　普通嫌いの主人公船頭牙は、特別な存在にあこがれていた。しかし、現実の牙は、ただの学生。素行の悪い不良たちに手も足も出ない現状だった。 　そんなを嘆いていた牙はある日、あや…

幼い頃、雪の降る中世ヨーロッパの小さな村で、私は迷子の少年スノーと出会う。 寒さに震える彼を家に連れ帰り、家族と共に温かく迎え入れた。 私は彼とすぐに仲良くとなり、毎日のよう…

凍えるような聖なる夜に、可愛い箱があるかもしれません。

　凍てついた言葉を持つ作家と、心を癒すバーテンダー。 　琥珀色の光に包まれた静かなバーで、二つの魂が出会う。 「私の言葉は、誰も救えなかった」 　そう語る作家・早川千景は、あ…

モンスターが住む魔界との扉が開いて数十年。 人間とモンスターは円滑な関係を築いていた。 共に暮らし、共に笑い……愛をはぐくむ者たちもいた。 しがない会社員である雪村政義（ゆきむ…

第2回あたらよ文学賞一次選考通過作 かつて魔呪学校で研究を共にした3人の少女たち。 目指したものは遠く、青く、果てのない銀霞《サノン・アリア》を象っていた。