「＃文学 ＃短編」を含む小説

都会の生活に疲れた大学生の「僕」は、雨の日にだけひっそりと開く小さな食堂〈雫箱〉に通っている。 繁華街の外れ、傾いたアパートの一階。看板はない。ただ暖簾に濡れた雫の跡がついてい…

早朝、冴結は風呂場からの自分の声で文学の引用を繰り返す「怪物」と出会う。 怪物は、他人の作った言葉でしか自分を語れない「自分の声」そのものだったが。

１月生まれの千織さんと三島さんに捧げます。 　科学技術の進歩は、人間を神に近づけなどしなかった。 　ただ、人間がいかに不潔で、欠陥だらけの有機物であるかを暴き立てただけだ。 　…

世界を静謐に揺るがすピエールとジョゼフィーヌの会話文

迷子を助けた。 ただそれだけの出来事なのに、 俺は人を疑い、自分を疑い、 最後は音楽で勝手に納得していた。 とてもどうでもよくて、少しだけ大事な話。

※100％手描き【短編完結済み】 にゃんとも不思議なビターチョコ風ファンタジー恋愛ショートストーリー！ ご賞味あれ！ ※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関…

夏、蓮見は十年ぶりにこの地に舞い戻った。十年前に捨てた大切なものがどうなったかを確認しにきたのだ。 そこで、美雨という昔の恋人と同じ名を名乗る女と出会う。 蓮見の捨てたものは長い…

仕事漬けの生活を送っていた私は久々の休日を過ごしていた。すると、飼ってもいない猫の声が聞こえ…。

来年1月のもじのイチで初売りする短編集の内の一編。 男色系でないのを載せておきます。 純文学よりも幻想文学寄りの作品。

淀川の堤防に据えられた石段。 そこを通り過ぎる夫婦、イケイケなおばあちゃん、野良猫ハチワレ、そして警備員。 一日の光と風の中で交わされる言葉や仕草を、石段は静かに見守っています。…

ピッケルとルーフェン。二人の小さな物語。

　緊急事態宣言真っ只中の2020年のクリスマス、会社が倒産して路頭に迷う青年、鏑木力丸は深い絶望に襲われていた。 職なし、彼女なし、友人なしと三拍子揃った非モテで非リアという不…

性別不詳の同級生と草を抜くお話。

『サヨナラさん』――それは、“別れ”が人の形をした怪異。 夜更け、ふと「もう終わりにしたい」と願った瞬間、彼女は現れる。 彼女は理由を問わず、ただ静かに“別れ”を執行する。 恋…

失われた夢と残された言葉。 水泳選手として将来を渇望されていた彼女は、事故により足を失い、文学に全てを賭けた少年は、病の床で静かに筆を置いた。 それぞれの「喪失」を引き継いで…

後悔したり、しなかったりする話。

水槽から出られない金魚の話です。

愛したり、愛さなかったりする話。

気づいていながら、気づかないフリをする話。

クリスマスが誰にとっても特別な日になるとは思いません。だけど、聖なる夜はいつもより少し人に優しくできるのだと信じています。