特集
心理学には「ザイオンス効果」と呼ばれるテクニックがあります。特定の相手に繰り返し接触することで好感度が高まる現象をいいます。例えば毎朝エレベーターで一緒になるマンションの住人や、行きつけのカフェの店員、自分の日常の中に組み込まれている人間には安心感を抱きやすいのです。ただし恋愛のテクニックとして使うには、過剰な接触や自己顕示は逆効果とされています。思春期の男子は、その加減がわからずに女子につきまとって嫌悪感を抱かせちゃうんですよね。今回の特集は、そんな非モテ男子のためになります(多分) 隣の席の気になるあの子と付き合うには? 隣の家のあの子を振り向かせるには? ザイオンス効果はきっかけをくれるだけ、そこからが恋の駆け引きの始まりです。主人公とヒロインのどんなドラマが繰り広げられるのか、是非ご覧ください。2月といえばバレンタイン。皆さんにもドラマチックな展開が訪れるように祈っています。そして誰か私のためにも祈ってくださいお願いします!
平凡な男子高校生・川井創時の隣の席の神崎光莉さんは、全校生徒が憧れる清楚な美少女。誰にでも優しく、脈アリと勘違いして告白する男子が後を絶たないが、全員玉砕して泣きを見る男殺しの女神様と呼ばれている。
どんなに親しげにされても自分は決して勘違いしないぞと心に誓う川井くんですが、実は神崎さんは川井くんに本当に好意を抱いているのです。
川井くんの気を引こうと放課後に勉強会を開いたり、体育祭で同じ係に立候補したりと、さまざまなアプローチを仕掛ける神崎さんですが、当の川井くんは「自分みたいなモブ男子を好きになる訳がない」と思い込んでスルーしてしまう非モテ男子のマインドには思わず頭を抱えてしまう。
川井くんはあくまで友達付き合いのつもりですが、デートしたり、お家に招かれたり、いつの間にかお互いの距離を詰めていく神崎さんの男殺しのテクニックが光ります。
これには川井くんが敗北するのも時間の問題か。鈍感男子と純情女子のすれ違いが可笑しい学園ラブコメです。
(「隣人ラブコメ」4選/文=愛咲 優詩)
早乙女夏斗の隣家に住む後輩の夢崎えるは、学校にファンクラブが存在するほどの美少女ですが、何故か自己評価が低くネガティブ思考で、すぐに感情が溢れ出しちゃう所謂"メンヘラ"ちゃん。
夏斗にベタ惚れのえるに対して、夏斗も儚げなえるを放っておけず、二人は相思相愛の仲。しかし、お互いに奥手で告白できずに両片思いの状態がずっと続いている。
学園内でもベッタリな二人の思いは周囲の友人たちにはバレバレ。今時の高校生らしからぬピュアな純愛をしている二人を気遣って見守っているが、二人の関係は行ったり来たりで一向に進まず、皆を落胆させるばかり。
普段は気弱なえるですが、夏斗を他の女の子に奪われたくない一心で、ときに勇気を振り絞って頑張る姿がいじらしいのです。
過去にトラウマを抱えて告白を躊躇っていた夏斗も、えるの姿に魅せられて優柔不断な自分を乗り越えていくのが男らしくていい! この二人推せる!
思春期の少年少女であれば恋愛に一喜一憂して当たり前。ちょっとくらいメンヘラでも、それも恋愛を盛り上げるスパイスではないでしょうか。
(「隣人ラブコメ」4選/文=愛咲 優詩)
横峰太一と白石美依は幼稚園からの幼馴染。二人は大学生になってもずっと一緒で、太一がアパートで一人暮らしを始めても、隣の部屋に美依も引っ越してきて、友達以上恋人未満の関係が続いている。
何かとズボラな太一に対し、しっかり者の美依はキツく当たりますが、幼い頃から太一を慕っていてメッセージアプリ「ライン」の文章の中ではデレデレのツンデレなのです。
太一も美依に惹かれているのですが、面と向かっては今更恥ずかしくて素直になれず、メッセージアプリでだけは感謝を伝えられたり、甘い言葉をかけられたり、意地っ張りな男心がなんとも可愛いのです。
実は美依のツンには、若くして亡くなった太一の母親に変わって彼を見守ろうとする隠れた理由があって……。自分の人生をかけて太一を想う一途な愛が泣けます。
お互いに意識し合って素直になれない、いつまでも初々しいこんな幼馴染みの関係もいいものだなと思います。
(「隣人ラブコメ」4選/文=愛咲優詩)
高校二年の宇城雅虎には密かに気になる女子がいる。隣の席になった琴坂雅だ。彼女はいつも無表情で誰とも関わらずにいる孤高の美少女だった。
何故か人を遠ざける琴坂さんに惹かれた雅虎は、彼女がとある騒動により人間不信になってしまったことを知る。
同じように他人に裏切られた経験がある雅虎は、傷ついた琴坂さんを見捨てておけず、彼女が少しずつクラスに馴染めるように手助けしていく。
そんな雅虎に琴坂さんも少しずつ心を開いていた矢先、因縁のある人物からの横やりを受け、二人の仲は拗れていってしまう……。
再び笑顔を失ってしまった二人のため、立ち上がる友人たちの友情が胸を熱くさせる。
恋人にフラれたり、友達に裏切られたり、人間関係の悩みは現代の中高生にはありがちだ。でも、傷つくのが嫌だから他人と関わらず生きていこうと考えるのは早計にすぎる。悩みから救ってくれるのもまた、恋人や友達の存在だろう。
大切なのは自分から一歩を踏み出す勇気だ。失敗してもいい、間違えてもいい、止まらなければきっと誰かが助けてくれる。愛情と友情、人間の温かさを感じる作品です。
(「隣人ラブコメ」4選/文=愛咲 優詩)