全国の高校生作家によるフレッシュな作品が集う「カクヨム甲子園2021」。今年で開催5年目を迎え、例年どおり大きな盛り上がりを見せています。さらに、特別賞「カルビー賞」の受賞作は、作品の映像化・イラスト化も決定しています。
今回は、そんなカクヨム甲子園2021 ロングストーリー部門への応募作に寄せられた、秀逸かつ熱意のこもったレビューをピックアップして紹介します。分かりやすいストーリーの解説を始め、作品に秘められた魅力や、読者として感じた驚きや発見などが、レビューを通じてひしひしと伝わってきます。
興味が湧いた作品があれば、ぜひ目を通してみてください。未来を担う「作家の卵」が見つかるかも…!?もちろん、作品やレビューを読んでみて、「自分も書いてみたい!」という方の参加も受付中です。高校生は作家として、高校生以外の方は応援する読者として、一緒にカクヨム甲子園2021を盛り上げましょう!
語られるのは、曽祖父の日記。
8月15日と聞いて、何人の人が「終戦の日」と言えるでしょうか。
第二次世界大戦の終結、歴史をなぞることくらいしかできない私たちはこの時代に生まれて本当によかったと、心の底から思えます。
戦争の残酷で悲惨な光景、今では聞くことすらない飢餓、希望を絶望に変え、歴史を語るうえでは欠かせないものです。
知っているようで、知らない。
例え知ることはできても、経験することはあってはならない。
そんな心響く日記に、考えさせられました。
もう一度、人間の戦争から終戦までについての歴史を一から学びたいと感じました。
タイトルから「ホームズパスティーシュ」かと思ったが、れっきとした一次創作であり、次なる物語も読みたくなった。
犯罪心理学が、過去の事例から推測し、プロファイリングを行う現代を踏まえて考えると、本作は文字通り「近未来」的な作品と言えるだろう。
本作のようなラストに向かう際、多くの場合、AIは無味乾燥な存在として位置づけられることが少なくないが、
本作は非常に個性的な性格を有しており、しっかりと相棒として活躍しているのが魅力的である。
こちらの作品は、その外見から忌み嫌われ周囲から疎ましく思われていた少年に、自分とは正反対の上流階級の少女と出会ったことから様々な変化が生じていくという物語となっている。(以下若干のネタバレあり)
結論から言うと、この物語は決して綺麗な「御伽噺」ではない。私がタイトルとその冒頭の内容から想像した内容は、少年が活発な少女と出会い人の温もりに触れ成長していくというようなものだったが、確かに終盤まで物語はそのように進んでいた。しかし突如描かれたエンディングは、そういったサクセスストーリーとは全く無縁の、人間の欲望が生んだ最後だった。押さえつけられていた少年の長年積み重なった歪んだ思想が、なんでも願いが叶うという状況においてただそのまま発揮されただけで、それはごく自然なことなのだと。それは私に、描写される少年の行動は少女によって確かに変わったが、少年の内面、心は超常的な欲望の前では大して変わっていなかった、つまり人間は、その外見はちょっとしたきっかけで変えられても、長年積み重なったその内面までは簡単に変えることはできないということを暗示しているかのように感じさせた。
このような独特なタッチで描かれる小説は作者の特徴が色濃く反映されるもので、この作品でも作者様にしか描けない奇妙さや不可解さを、風景描写や心理描写から作り出すことができていると感じたので、これからの作者様の作品も非常に楽しみとなりました。
さてこちらの作品、読む人によって異なる驚きと考察をもたらしてくれるような短編小説となっておりますので、そういった不可解な物語、ただのハッピーエンドが好みではないという方にはぜひ読んでいただきたいものとなっております。今回は作者様に見事に困惑させられたため☆3とさせていただきます。ありがとうございました。
異世界チート系が流行っている昨今、この作品のような本当にダークで絶望感のある作品は珍しいと思います。
甘ったれた幻想の通用しない暗闇の中で、少年達が抗っていく。ある意味で読者に衝撃を与える作品だと思います。
構成力にも目を見張るものがあり、キャラの性格や行動、世界観の設定を完璧に織り交ぜ、最小限の文字数で抑えながらも、前述の絶望感を演出しています。
このいい意味でのどす黒さは誰にも再現できないでしょう。
普通の男子高校生がいきなり透明人間になってしまった!?自分の姿には家族にも学校の人にも周りの人にも見えていない、
そんな時一人の女子に出会い二人で過ごすことになる。海へ行ったり髪を切ってもらったりこんな日々が続いてほしい心の中でそう思った時突然別れはやって来た。
戸惑う男子高校生に女子はある秘密を口にする、二人の生涯消えることのない二度戻らない時間、私はこの小説を読んでラストシーンが切なくも良いシーンだと思いました。気になった方は是非読んでみてください。