日本海はこんな感じ(三題噺 「森」「鍵」「境界」)

 新潟県は日本海側に面している。


 日本海では少し変わった光景が見られる。いやまあ、太平洋側の海を全て見て回ったとかじゃない。変わっているかどうか実のところよくわからない。内陸部から海へ向かう途中、ほぼ全ての海岸手前に森があり、それを抜けると日本海が広がる。どこの海岸でも。

 変わっているのが、日本海側の荒れた海から吹く潮風によって、それらの木が斜めに傾いているのだ。もちろん、内陸側に向かって傾いている。

 なんだか変わった森を通って、そして日本海へ。

 特に冬の日本海に行くと、それはもう波が荒れ狂っていて……葛飾北斎だったっけ……あの絵そのまんまみたいになっている。それでも海と空との境界は静かに、穏やかに水平を保っている。不思議。身投げしちゃダメだ。


 夏になれば海の家がいくつも営業される。しかし海の家ってのは潮風を直に受けているものだから、ダメージが酷い。

 海の家に自分のバンドが呼ばれてライブすることになったから楽しみにして向かった。海の家にある倉庫みたいなところを楽屋として使ってということで、そこの鍵を受け取った。けれども残念ながら扉を開くことができなかった。鍵穴が、錆びていたから……。

 

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