王への報告録 三
閻魔王の冥官が一、揺光謹み申して曰く
一、
羅睺なる夜叉、星を降ろしこれを喰み、殻を以て香を作り売りけり。
退魔衆これを縛りて羅睺伊舎那天尊の配下となりける。
二、
星鎮まれど気がかりなることあり。
星降ろしたる地翳によりて隠されども、紋ありてこれを見れり。
また羅睺なる夜叉に見えし覚へあり。このこと未だ分からず。
三、
星天未だ現れず、星いづれは再び乱ると覚ゆ。
冥土に降りしは此度に限り、二度はあらず。
さすれば星天見立てしのちに現世へと還らんと欲す。
閻魔王、応へて曰く
一、
星降ろし縛られしは善きこと也。
星の座戻りて星の門通づを認む。
現世還り求むるならば、すなはち門を潜らんと欲す。
二、
答なし。
三、
これより先冥土に留むは現世に戻れぬことと覚へよ。
承知ならば、これを咎めず。
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