第3話鉄錆の中の回響
私は研究室の影に立ち、魔導オイルに浸った彼の手を見つめていた。喉には乾いた粗砂を詰め込まれたようで、漏れ出す声は掠れ、粘りついていた。
「教授……私に、研究室を貸してください」
私は俯き、掌を広げた。元素を強引に感応させようとして残った焦げ跡が、暗闇の火光の下で、醜悪な暗赤色の百足(むかで)のごとく皮膚に這いずっていた。
「何だと?」
「研究室を貸してほしいんです、先生。次の評定で……もう二度と、木に吊るされたくない。あいつらに見せつけてやりたい。才能がなくても、私は……」
声が途切れた。アンダーソン教授が手元の手稿を止めたからだ。彼は振り向き、血走った瞳で私を射抜いた。私の魂を、その脆弱な肉体から引きずり出そうとするかのような眼差し。
死寂。炉が冷却される際の「パチッ」という音だけが響く。
「評定だと?」
彼の声は、生錆びた鉄板を引きずるような響きだった。彼はゆっくりと私の前に歩み寄り、濃厚な機油と煙草の臭いが鼻腔を刺した。彼は胼胝に覆われた、腫れ上がった硬い手を伸ばし、私の手首を乱暴に掴んで火の光の下へ引き寄せた。
彼は私の顔を見ず、ただその焦げ跡を、恐怖と屈辱で震えるその手を見つめていた。
彼は冷笑した。その笑いに温度はなく、ただ共有された屈辱の刺青のような、感応的なまでの殺意が宿っていた。「お前が汗を流し、傷つき、家畜のように泥の中を這いずり回るからだ。それが奴らの優雅さを逆なでしたのだ」
彼は不意に手を離し、傍らの棚から、半人ほどもある重厚な付魔レンチを掴み取った。彼はその生鉄の塊を実験台に叩きつけた。鼓膜を震わせる「ガランッ」という轟音が響き、周囲の部品が跳ね踊る。
「若い頃、私もお前と同じ広場で奴らに弄ばれた。あの頃、私は一粒の砂のように卑小で、たとえ魔力を感じ、魔法を操れたとしても、一生をドブの中で腐り果てる運命なのだと思っていた。ここでは、魔法が使えることなど最も価値のないことだからだ」
彼はポケットから火のついていない煙草を取り出して咥えた。その瞳は研究室の壁を貫き、同じく寒冷で圧迫された過去へと回帰していた。
「だが、後で悟った。強大な魔力は天賦だが、同時に呪いでもある。それは人を怠惰にし、弱くする。だが我らのような者には、意志がある。そしてこれだ……」
彼は煙草を耳に掛け、自分の頭を指差した。
「理屈の通じない、死文化された、絶対的な物理法則だ。鉄は鉄であり、千度になれば溶け、三千回転すればすべてを切り裂く。お前がエルフであろうと乞食であろうと、それに関係はない」
彼は再び私を見た。瞳の奥に、残り火が再燃したような紅い光が宿る。
「勝ちたいのか? いや、子供よ。『勝利』は奴らのゲームのルールだ」
彼は背を向け、錆びついた巨大な木箱から油にまみれた鍵を一本、正確に私へと放り投げた。鍵は空中に氷のような弧を描き、私の掌の焦げ跡に衝突した。鋭い痛み。だが、かつてない粘着質な帰属感に満たされた。
「研究室を使いたいなら、持っていけ。だが私の場所には、花火のような華麗な魔法なし。ここにあるのは摩耗、爆発、そしてお前の乏しい魔力を搾り取った後に残る『鋼鉄の咆哮』だけだ」
彼は再びレンチを手に取り、振り返ることなく腰を屈めた。脊椎が軋む音が鳴る。
「来学期、奴らの賞賛など求めるな。奴らが生理的な恐怖を感じるほどの力を追い求めろ。怪物を造り、あの整然とした虚偽をズタズタに引き裂け。魂を燃料として炉に投げ込む覚悟があるなら、始めろ」
私は重い鍵を握りしめた。冷たい鉄が掌の体温で温められていく。私は知った。この瞬間から、私は象牙の塔で認同を乞う留学生ではなく、暗闇の中で屠殺刀を研ぐ徒弟となったのだ。
外ではエルフの郷の花香が清々しく漂っている。だが内では、私の肺はすでに機油と硫黄に満たされていた。
この臭い、実に安心する
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