第13話 殺しませんから

この日は森の入口に番人が立っていなかった。


「この間あの娘っ子、あっちから来たんだよな。ちょっと手分けして探すか。ジンライとフタバは左の方へ。ゴウワンとミホは森の内側を。イチカはオレについてこい。このまえ娘っ子が走ってきた方向を探す。」


“暁団の“一行もまた、森へ戻ってきていた。一行は手分けして青い髪のエルフを探し始めた。隻眼の男は早々に館を見つけてしまう。


「イチカ、あの森の中に建物あるよな。」


「そうですね、若。」


「当たりじゃないのか?」


「近づいてみましょう。」


 二人は音を立てないように茂みの中を進む。すると館の前の石畳の前に見覚えのある娘とスペルユーザーが居た。二人で何やら話をして居る様だ。距離があって会話の内容までは聞こえない。


「あっちの奴、男色の魔法使い。つーかこの間はまんまと騙されたってわけか。」


「そうみたいですね、みんなを呼んできますか?」


「いや、建物に入られると面倒だ。二人で仕掛けよう。丁度こっちも二人だ。」


「俺は娘っ子を狙う。イチカは俺の援護をしながら、あっちのスペルユーザーを無力化しろ。」


「殺しませんから。」


「ああ、そうしてくれ。不要な殺生はなしだ。」


イチカは懐から棒手裏剣を出す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る