第12話 デコイの魔法
助け出された後、ブルーは館に戻っていた。太ももの後ろについた傷は深くなく、跡も残らなさそうだった。一晩休んで元気を取り戻したブルーは、ロイやマリアの心配をよそに、ブラッドを伴い表に出た。
「ブルーさん、まだ休んでいた方が良いのではないかい。」
「もう大丈夫です、先生。」
「随分怖い思いをしたのではないかい。」
「ええ、でも怖いっていう気持ちより、なんで僕が、という気持ちの方が強くて。」
「ブルーさんは元気なんだね。」
苦笑いするブラッド。
「それよりも先生、教えて欲しいんです。」
「何をだい?」
「この間みたいに、多人数に囲まれた際に逃げやすい魔法があれば教えて欲しいのです。あの人達、あれで諦めてくれればいいのですがまた来るかもしれないし、またこの間のようなシチュエーションになった場合の対策みたいなものがあれば教えて欲しいです。」
ブラッドはちょっと悩むと、口を開いた。
「デコイの魔法があります。詠唱も簡単だし使い勝手良いです。」
「デコイの呪文?」
「見ててください。」
ブラッドはさっと手で印を切り呪文を唱える。
「デコイ!」
次の瞬間、ブラッドが二人に分裂した。
「!」
「この呪文の良い所は、自分が動かなければ残像が飛び出します。自分が動けば元の位置に残像ができます。」
「見分けつきませんね。」
「最大3体まで発現可能です。4体目からは、古い残像が1体消えます。」
「そして、動く、残る方のどちらかを自分で選べる、と」
「そうです。この呪文なら、とっさに見破るのは難しいです。そして、デコイを出したままインビジブルの呪文を重ねがけ出来ます。練習してみてください。」
「デコイ!」
二人に分裂するブルー。
「鏡見てるみたいですね、先生。」
「そうですね。フローティングを重ねがけもできますから、デコイを残したまま飛んで逃げてもいいし。デコイは触れると消えます。」
「状況見ながら、うまく活用します。ありがとうございます。」
その時、またあの日のように森がざわついた。森のドリアードが警告しているのだ。
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