第2話 誘拐

「?」


不穏な空気でとまどうブルー。隻眼の男がゆっくり近づいてくる。


「青い髪のエルフ、簡単に見つかったゼ。ラッキーだったな。さて来てもらうよ。」


「僕に何の用?」


 慎重に周りを見回すブルー。背後は背が高い女と、ちょっと小柄な女が騎乗のまま一定の間隔を保っている。


「あんたに会いたいって人が居てね。黙ってついてきてくれると助かるんだけどなァ。」


ラムサスの方を見ると、ガタイの大きな男と小柄な男に阻まれている。抜刀してにらみ合っている。


(フローティング)


覚えたての魔法を小声で唱え、ブルーは真っすぐ上空に浮かび上がる。

シュッ!

何かが空を切る音がし、次の瞬間左の太ももに激痛が走る。


「いたっ!」


魔法の集中が切れ、ブルーはそのまま地面に落下。

隻眼の男が一気に距離を詰めてくる。


(まずい)


攻撃魔法の詠唱を始めるが間に合わない。詠唱が完成する前に後頭部へ手刀が叩き込まれる。隻眼の男もブルーの下腹部に強烈な掌底を叩き込む。


「!」


ブルーは力なく地面に崩れ落ちる。


「イチカ、いい判断だ。飛ばれたら厄介だからな。」


「縛っちゃいますね。」


イチカと呼ばれた女は、ブルーの太ももから棒手裏剣を抜くと手早く止血する。


「若~、こっちも片付きましたぜ。」

「コイツてんで弱いでやんの。」


がたいの大きな男と小柄な男もこちらに歩いてくる。


「適当に縛って木の裏にでも転がしておけ。」


隻眼の男は仲間に指示を出す。


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