概要
――焼かれるのは、指か。記憶か。親か。
冬の静寂に包まれた家で、語り手は日課の焼き芋を楽しんでいた。
ある日、ストーブにかけたアルミホイルの中から現れたのは、焦げた人間の指。
駆けつけた息子は、包帯で隠した右手をかばいながら、それが自分の指だと言い、ためらいなく口へ運ぶ。
翌日もまた、息子はストーブの前で“何か”を焼いていた。
だが、彼の手には欠損がない。
では、焼かれている指は誰のものなのか。
ある日、ストーブにかけたアルミホイルの中から現れたのは、焦げた人間の指。
駆けつけた息子は、包帯で隠した右手をかばいながら、それが自分の指だと言い、ためらいなく口へ運ぶ。
翌日もまた、息子はストーブの前で“何か”を焼いていた。
だが、彼の手には欠損がない。
では、焼かれている指は誰のものなのか。