読み終えて、まず溜息が出ました。登場人物一人ひとりの心情があまりにも丁寧に、大切に描かれていて、読者として(そして一人の書き手としても!)「こんなに深く描けるなんて!」と嫉妬してしまうほどの筆力です。
特にお気に入りは、ハルトとカイルの絶妙な関係性。
過去の傷を抱えて「(元の世界には帰りたくない)、カイルのところに帰りたい」と願うハルトと、彼を大切に思うがゆえに「元の世界に還してあげたい」と奔走するカイル。二人の想いが真っ直ぐすぎて、読んでいて思わず「お願いだから二人とも、もっとゆっくり話し合って〜!」と画面越しにエールを送りたくなってしまいます。その「もどかしさ」こそが、この物語の最大の魅力ですね。
さらに、国を背負う王太子クロルツの行動一つ一つにも、彼なりの「守りたいもの」があることが伝わってきて、胸が熱くなります。
誰も悪くないのに、それぞれの「正義」がぶつかり合って生まれるドラマ。 そんな、優しくて少し切ない世界を完璧に作り上げている作者様の才能には、ただただ脱帽です。
これほどまでに心を揺さぶられる一作に出会えたことに感謝です。どうか、この物語が正当に評価され、一人でも多くの人に届きますように!
絵に描いたような異世界召喚、ハルトに課された役目は『勇者』として魔獣を倒すこと。
どこにでもありそうな、ありきたりな物語。けれど、勇者として戦うために用意された、世界一の武器職人、カイルの作る剣は、ハルトが使うと毎回粉々に壊れてしまった。
無愛想で口の悪いカイルの態度に、喧嘩したり腹を立てたり。
けれど口の悪さとは裏腹に、カイルが差し出してくれるものは不思議とハルトの記憶にある地球での思い出のものばかりで……
真っ直ぐなハルトと不器用な武器職人券魔法使いのカイルが少しずつ歩み寄り、心を通わせていく姿にほっこりさせられつつ、お互いの寂しさに寄り添うような、優しい色で世界を彩っていく作品です。
ハルトは不器用な片翼の魔法使いの優しさにいつ気がつくのか、そしてハルトの帰りたい場所に帰ることが出来るのか。最初から最後まで、ハラハラの展開で楽しませて下さい。
皆さんも二人の行き着く先を、一緒に見守りませんか?
勇者召喚とかって、やられた方はぶっちゃけ迷惑じゃないですか。世界を守るための最終手段だとしても、私なら魔物や魔王と戦うなんてホント無理。
この作品はそのへんのせめぎ合いが大きな鍵になっています。
祖母の和食を夢に見るハルト。
勇者を作り上げる片棒をかつぐことに罪悪感(プラス自身の後悔)を抱くカイル。
勇者という犠牲を払う罪を知りつつ国を守りたいクロルツ。
三者三様の心がジワジワ進み、ぶつかり合うドラマが丁寧に描かれていました。
世界の裏側にある秘密なんかも垣間見えてきて――でも10万字でいったん完結なんですね。いずれ二人が「名前を呼んではいけないあの人」wとの決着をつけるのが楽しみです。
コンテストの関係で二人の濃密なやり取りが制限されたこともあり、健全な青春ブロマンスにとどまっています。
どなたさまも安心してお読みいただけますよ!
BL作品ではありますが、友情が主軸になっているので初心者の私でもとても読みやすい作品でした。
国を救う勇者として異世界に召喚された春人。
その彼を温かく見守る世界一の鍛冶職人カイル。
ケンカばかりだった二人が、不器用ながらも互いの欠けた部分を補おうとする姿にときめいたりドキドキさせられたり。
ワンコ系主人公の春人は大切にされる側かと思いきや、そこは勇者の器をもつ男。
しっかりと光の導となってカッコよく物語を引き立ててくれます。
もだもだしながらも歩み寄っていく二人がどんな結末を見せてくれるのか。
最終話まで目が離せません!