第34話 シャドウとの決着 〜因縁の終わり〜

「ようこそ、田中一郎」


 神殿の最奥部。シャドウが待っていた。


 その姿は、もはや人間とは思えなかった。全身から黒い霧が立ち上り、目は赤く光っている。


「シャドウ……お前、ベヒモスに魂を売ったのか」


「売った?違うな。俺は選ばれたんだ。ベヒモス様の眷属として、新世界を創る使命を与えられた」


『こいつやべえ……』

『完全に狂ってる……』

『田中さん、気をつけて!』


「新世界?ベヒモスが復活すれば、世界は滅びるんだぞ」


「滅び?違うな。再生だ。腐った世界を一度リセットして、ベヒモス様が支配する完璧な世界を創る」


「狂ってる」


「狂っている?お前にそれを言う資格があるのか、田中一郎」


 シャドウが嘲笑った。


「お前だって異世界人だろう。この世界に来て、チートスキルで無双して、女を侍らせて……お前も十分狂っているぞ」


「……」


「図星か?お前と俺は同じだ。この世界を自分の思い通りにしたいだけだ」


「違う」


 俺は剣を構えた。


「俺は世界を支配したいんじゃない。仲間と一緒に、平和に暮らしたいだけだ」


「くだらん。ならば死ね」


 シャドウが襲いかかってきた。


 その速度は、以前とは比べ物にならない。


「くっ……!」


 俺の剣が弾かれる。


「田中さん!」


「俺が行く!」


 ミラとレオンが援護に入る。だが——


「無駄だ」


 シャドウの一撃で、二人が吹き飛ばされた。


「この力がベヒモス様の恩寵だ。お前たちでは勝てない」


 俺は【真眼】を発動した。


 シャドウの弱点を探す。だが——


「見えない……?」


「ふふ、【真眼】も効かないか。ベヒモス様の加護があるからな」


 絶望的な状況。


 だが——俺は諦めなかった。


「みんな、力を貸してくれ」


 俺は仲間たちに手を伸ばした。


「【真眼】——全員の力を、俺に」


 ミラ、レオン、リーナ、フィーネ、シャルロット、エリカ。


 7人の心が一つになる。


「これは……!」


 俺の【真眼】が、さらに進化した。


 シャドウの弱点が、見えた。


「終わりだ、シャドウ」


「なっ——!」


 俺の剣が、シャドウの核を貫いた。


「バカな……俺が……負ける……?」


 シャドウが崩れ落ちる。


 終焉の使徒は、壊滅した。

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