第29話 【真眼】覚醒 〜鑑定の進化〜
修行を始めて半年。
俺の【鑑定】に、変化が起きていた。
「タナカさん、大丈夫?最近、頭を押さえてることが多いけど……」
「ああ、ちょっと【鑑定】の調子がおかしくてな」
最近、【鑑定】を使うと頭痛がするようになっていた。
そして——見えるはずのないものが見えるようになっていた。
「レオン、お前……昨日の夜、エリカの夢を見ただろ」
「なっ……!?なぜそれを」
「分からない。ただ、見えた」
俺の【鑑定】が、人の心の奥まで見通すようになっていた。
「これは……進化の兆候か?」
その夜、俺は夢を見た。
白い空間。あの時出会った老人が現れた。
『【鑑定】の継承者よ。お前のスキルが次の段階に進もうとしている』
「次の段階……?」
『【鑑定】の上位スキル——【真眼】。世界の真実を見通す力だ』
「【真眼】……」
『だが、この力を得るには試練を乗り越えなければならない。お前の心の闇と向き合え』
突然、景色が変わった。
そこは——前世の会社だった。
「これは……」
目の前には、過労で倒れる直前の俺がいた。
誰にも頼れず、一人で全てを抱え込み、最後には死んでいった俺。
「見ろ。これがお前の本質だ。孤独を恐れ、仲間を信じられなかった弱い心」
闇の中から、もう一人の俺が現れた。
「お前は今も変わっていない。仲間がいるフリをしているだけだ」
「違う……」
「本当に信じているのか?いつか裏切られると思っているんじゃないか?」
——否定できなかった。
心のどこかで、俺は仲間を完全には信じきれていなかった。
「田中さん!」
声が聞こえた。ミラの声だ。
「タナカ!」
レオンの声。
「田中!」
リーナ、フィーネ、シャルロット、エリカの声。
仲間たちの声が、闇を切り裂いた。
「俺は……一人じゃない」
俺は闇の中の自分に向き合った。
「確かに、俺は弱い。でも——仲間がいれば、強くなれる」
闇が晴れていく。
目を開けると、仲間たちが心配そうに俺を見ていた。
「良かった、目が覚めた……!」
俺は自分のステータスを確認した。
スキル:【真眼】
「進化した……」
俺の【鑑定】は、【真眼】へと覚醒していた。
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