第28話 配信ギルドの闇 〜ミラの決断〜
「タナカさん……話があるの」
ある夜、ミラが深刻な表情で俺の部屋を訪ねてきた。
「どうした」
「配信ギルドのこと。私……ずっと逃げてた」
ミラは俯いた。
「ギルドは今でも裏で汚いことをしてる。新人配信者を潰したり、ランキングを操作したり……」
「知ってる。【鑑定】で見えていた」
「えっ……じゃあ、なんで——」
「お前が自分から言い出すのを待ってた」
俺はミラの頭を撫でた。
「お前の問題は、お前が決着をつけるべきだ。俺はそれを手伝う」
ミラの目に涙が浮かんだ。
「……うん。私、ギルドを変えたい。孤児だった私を拾ってくれた恩はある。でも、今のギルドは間違ってる」
「分かった。一緒に行こう」
翌日、俺たちは配信ギルド本部に乗り込んだ。
「ミラ!お前、裏切り者のくせに——」
「黙れ」
俺が一歩前に出ると、ギルドの幹部たちが怯んだ。
「俺は配信ランキング2位の田中一郎だ。そして——」
俺は【鑑定】を発動した。
「お前たちの悪事は全て把握している。新人配信者への妨害工作、ランキング操作、裏金……全部だ」
『えっ、配信してる!?』
『ギルドの闘争リアルタイム!』
『田中さんかっけえ!!』
この場面を、俺は生配信していた。
「やめろ!配信を切れ!」
「断る。視聴者のみんな、見届けてくれ。これが配信ギルドの実態だ」
幹部たちの顔が青ざめる。
「ミラ、言いたいことがあるんだろ」
「……うん」
ミラがカメラの前に立った。
「私はミラ。配信ギルド所属の配信者です。今日は、ギルドの真実をみんなに伝えます」
ミラは全てを暴露した。
自分がスパイとして田中に近づいたこと。
ギルドが行ってきた数々の不正。
そして——自分の過ち。
「私は間違ってました。でも、これからは正しいことをしたい。ギルドを変えたい」
『ミラちゃん……』
『勇気ある告白だ……』
『応援する!!』
視聴者からの応援コメントが溢れた。
結果、配信ギルドは大改革を余儀なくされた。
不正に関わった幹部は追放され、ミラが新しいギルド長に就任した。
「タナカさん、ありがとう」
「礼は要らない。お前が自分で決めたことだ」
ミラが俺に抱きついた。
「大好き」
「……ああ、俺もだ」
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