第24話 第2章完結 〜新たなる旅立ち〜

 俺たちは黒曜の塔を後にした。


 レオンの手には、妹エリカの魂が入った光の玉がある。


「田中、本当に感謝している」


「礼には及ばない。俺も、お前のおかげで大切なことに気づけた」


 仲間の大切さ。一人では得られなかった強さ。


『感動の場面だ……』

『レオンと田中、最高のライバルで最高の友達』

『泣いてる……マジで泣いてる……』


 塔の外では、シャルロット王女が待っていた。


「田中様、お帰りなさいませ」


「王女……」


「あなたの配信、全て拝見しておりました。国を救う英雄の誕生を目撃できて光栄です」


 シャルロットが深々と頭を下げた。


「1年後の決戦、この国を挙げてお支えします」


「ありがとうございます」


 ミラが俺の腕に抱きついた。


「タナカさん、これからどうするの?」


「まずは王都に戻る。そして——」


 俺は空を見上げた。


「1年間、修行だ。ベヒモスを倒すために、もっと強くならないといけない」


 リーナが頷く。


「私も協力するわ。借りを返すまで、あなたの傍にいる」


「俺もだ」レオンが言った。「妹を完全に救うまで、お前と共に戦う」


『仲間全員集合!』

『最強パーティ爆誕!!』

『第3章に期待!!』


 俺は配信カメラに向かって言った。


「みんな、ありがとう。俺がここまで来られたのは、配信を見てくれたみんなのおかげだ」


『こっちこそありがとう!』

『田中さんの配信が生きがい!』

『最高の配信者!!』


「これからも、俺の旅を見届けてくれ。【追放された規格外スキル【鑑定】で、俺は異世界のダンジョン配信者になる】——第2章、完結だ」


 俺は笑顔で配信を終えた。


 1年後に待ち受ける決戦。


 仲間たちとの修行の日々。


 そして——まだ見ぬ敵との出会い。


 俺の異世界配信者としての旅は、まだ始まったばかりだ。


            ◇


 その夜、俺は宿屋のベッドに横たわりながら考えていた。


 過労死して異世界に来て、追放されて配信者になって。


 前世の俺には想像もできなかった人生だ。


 でも——


 今の俺は、間違いなく幸せだ。


 仲間がいる。目標がある。見届けてくれる人たちがいる。


「よし」


 俺は立ち上がった。


「明日からまた頑張ろう」


 窓の外には、星空が広がっていた。


 ——第2章 王都編 完——

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