第22話 封印の間 〜最深部への道〜

「ここが……封印の間への入り口か」


 俺たちは黒曜の塔の最深部、10階層に到達していた。


 巨大な扉の前には、古代文字が刻まれている。


「【鑑定】」


 俺は文字を解読した。


「『この扉を開く者よ、覚悟せよ。中に眠るは滅びをもたらす災厄なり』……か」


「田中、本当に中に入るのか」


 レオンが聞く。彼の手には、妹の魂が入った光の玉がある。


「ああ。【鑑定】で見た。この先に、魂を肉体に戻す力がある」


『まじか……』

『ついに最深部!』

『視聴者200万人突破!!』

『歴史的配信だ……』


「みんな、見届けてくれ。これが——俺たちの旅の集大成だ」


 俺は扉に手を当てた。


 扉が重々しく開く。中から冷たい風が吹き出してきた。


「行くぞ」


 俺たちは扉の中へ踏み込んだ。


 そこには——巨大な結界が張られていた。


 結界の中には、恐ろしい姿の魔物が封印されている。


「これが……古代の魔物」


「【災厄のベヒモス】……」レオンが呟く。「5000年前、この大陸を滅ぼしかけた伝説の魔物だ」


 俺は【鑑定】を発動した。


 名前:災厄のベヒモス

 レベル:???(測定不能)

 スキル:【滅界の咆哮】【魂喰らい】【不死の肉体】

 特記事項:封印は徐々に弱まっている。完全解放まで残り約1年。


「1年……」


 俺は結界の構造を調べた。


「レオン、見つけた。エリカを救う方法だ」


「本当か!?」


「ああ。この結界には『魂の泉』が組み込まれている。これを使えば、魂を新しい肉体に移すことができる」


「だが、それは——」


「結界を一部解除する必要がある。魔物が完全に復活するリスクがある」


 レオンの表情が曇る。


「俺は……世界を危険に晒すわけには……」


「待て。俺に考えがある」


 俺は結界全体を【鑑定】した。そして、見つけた。


「抜け道がある。結界を解除せずに、魂の泉だけを使う方法だ」


「どうするんだ」


「俺の【鑑定】を媒介にする。俺のスキルなら、結界の隙間を縫って魂の泉にアクセスできる」


 だが、それには代償がある。


「田中さん……もしかして」ミラが不安そうに聞く。


「ああ。成功しても、俺の【鑑定】は大幅に弱体化する。下手すれば——」


 命を落とすかもしれない。


 だが、俺は迷わなかった。


「やる」


『田中さん……!』

『止めて!危険すぎる!』

『でも、これが田中さんだよ……』


「みんな、見届けてくれ」


 俺は結界に手を当てた。

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