第20話 剣聖の過去 〜失われた妹〜

「古代の魔物……詳しく聞かせてくれ」


 俺はレオンに詰め寄った。


「……5年前のことだ。俺には妹がいた」


 レオンの目が遠くを見つめる。


「妹は才能ある配信者だった。だが、この塔の10階層で消息を絶った」


「それと、古代の魔物は関係があるのか」


「ああ。妹は10階層の封印を調査していた。そして——」


 レオンの声が震える。


「封印が一部解かれ、妹は飲み込まれた。俺は、妹を救えなかった」


『レオン様に妹が……』

『知らなかった……』

『辛い過去だ……』


「俺が最強の配信者を目指すのは、いつか妹を取り戻すためだ。この塔の全ての謎を解き、封印を完全に解除すれば——」


「待て。封印を解除すれば、古代の魔物が完全に復活するんじゃないのか」


 レオンは黙った。


「分かっている。だが、他に方法がない。俺は——妹のためなら、世界を敵に回してもいい」


 俺は【鑑定】を発動した。レオンの情報が流れ込んでくる。


 名前:レオン・アルヴァレス

 スキル:【剣聖】【光の翼】

 特記事項:深い悲しみを抱えている。妹への執着が危険なレベルに達している。


「レオン、俺に協力させてくれ」


「何……?」


「俺の【鑑定】なら、封印を解除せずに妹を救う方法が見つかるかもしれない」


 レオンの目が見開かれた。


「本当か……!?」


「確約はできない。だが、試す価値はある」


『田中さん、かっけえ……』

『これが主人公だよ……』

『レオンと協力展開!!』


 その時、10階層から轟音が響いた。


「来るぞ——」


 床が崩れ、巨大な触手が伸びてきた。


「これは……!」


「古代の魔物の一部だ。封印が弱まっている」


 俺とレオンは背中合わせに立った。


「レオン、今は勝負どころじゃない」


「ああ。まずは、こいつを倒す」


 二人の剣が閃く。


 かつてのライバルが、同じ敵に立ち向かう。


『共闘!!』

『熱すぎる……!!』

『神回確定!!』


「いくぞ、田中!」


「ああ——【鑑定】、全力で弱点を探せ!」

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