第19話 レオンとの激突 〜頂上対決の序章〜

「配信ランキング1位、剣聖レオン……か」


 翌日、俺は黒曜の塔の入り口に立っていた。


「タナカ、来たか」


 そこには、銀髪の剣士が立っていた。剣聖レオン。王都最強の配信者にして、この国で最も有名な冒険者だ。


「呼び出しを受けた以上、来ないわけにはいかないだろう」


 レオンの瞳が鋭く光る。


「お前の配信、見せてもらった。面白い戦い方をする」


「それはどうも」


「だが、俺の方が強い。それを証明させてもらう」


 レオンが剣を抜いた。


「待って!」


 背後からミラの声が聞こえる。


「配信勝負なら、ちゃんとした形でやろうよ!今から二人で塔を攻略して、先に10階層到達した方が勝ち!それを生配信する!」


 レオンが少し考え込む。


「……いいだろう。その方が、視聴者も盛り上がる」


「決まりだね!じゃあ、配信開始!」


 ミラがカメラを構えた。


『キターーー!』

『レオンvs田中!!』

『世紀の対決!!』

『どっち推し?俺は田中派』

『いや、レオン様一択』


「では、始めるか」


 レオンが塔の中へ駆け込む。俺も続いた。


 1階層は雑魚モンスターの巣窟だ。レオンは圧倒的な剣技で敵を薙ぎ払っていく。


「さすが剣聖……」


 だが、俺には【鑑定】がある。


「【鑑定】——ショートカット発見」


 俺は壁の隠し通路を見つけ、一気に3階層まで駆け上がった。


『え、ワープ!?』

『鑑定チート発動!』

『田中さん、さすがすぎる』


 だが、レオンも負けていない。5階層で俺に追いついてきた。


「なるほど、鑑定で隠し通路を見つけたか。だが——」


 レオンの剣が閃く。


「俺の速さには追いつけない」


 彼は純粋な戦闘力で、俺を追い越していった。


 7階層。8階層。お互い一歩も譲らない戦いが続く。


「はぁ、はぁ……」


 俺は息を切らせながら9階層に到達した。レオンも同時だ。


「ここまで互角とはな。認めよう、お前は強い」


「お前もな」


『二人とも9階層!』

『同着!?』

『10階層勝負!!』


「最後の勝負だ。いくぞ——」


 その時、塔全体が揺れた。


「なんだ!?」


「地震……いや、これは——」


 俺の【鑑定】が警告を発する。


「10階層に、何かいる。巨大な魔力反応だ」


 レオンの表情が険しくなる。


「まさか……『それ』が目覚めたのか」


「知ってるのか」


「ああ。この塔に封印されている古代の魔物。それが、動き出した」


 俺たちの勝負は、思わぬ展開を迎えようとしていた。

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