第18話 ミラの告白 〜配信者としての想い〜
その夜、俺たちは王都の宿屋に戻っていた。
「リーナは大丈夫か」
「うん、部屋で休んでる。怪我は軽傷だった」
ミラが答える。彼女の表情が少し曇っている。
「ミラ、どうした?」
「……ねえ、タナカさん。ちょっと話せる?」
俺たちは宿屋のバルコニーに出た。王都の夜景が広がっている。
「あのね、私……ずっと隠してたことがあるの」
ミラの声が震えていた。
「私、最初からタナカさんの配信を見てたわけじゃないの。本当は……配信ギルドに命令されて、タナカさんに近づいたの」
「……知ってた」
「えっ!?」
ミラが驚いて俺を見る。
「最初に会った時から【鑑定】で見えてた。お前のステータスに『任務:田中一郎の監視』って書いてあったからな」
「じゃあ、なんで……」
「最初は警戒してたさ。でも、お前の配信への想いは本物だった。俺と一緒に配信してる時、お前は本当に楽しそうだった。それだけで十分だ」
ミラの瞳から涙が溢れ出した。
「ごめんなさい……私、最低だよね……」
「そんなことない。お前はお前の事情があったんだろ」
「うん……私、孤児だったの。配信ギルドに拾われて、配信者になれた。だから、ギルドの命令には逆らえなくて……」
俺はミラの頭を優しく撫でた。
「もう十分だ。これからは、お前の好きなように配信すればいい」
「でも、ギルドが……」
「俺が守る。お前も、リーナも、俺の仲間だ」
ミラは俺の胸に顔を埋めた。
「タナカさん……私、本当に好きになっちゃった」
「……ああ」
「返事は?」
「待ってくれ。俺は恋愛とかよく分からない。前世でもまともに恋愛したことないし」
「じゃあ、教えてあげる」
ミラが顔を上げた。月明かりに照らされた彼女の顔は、とても綺麗だった。
「配信者として、パートナーとして、ずっと一緒にいたい。それが、私の気持ち」
「……分かった。俺も、お前と一緒にいたい」
俺たちは夜空を見上げた。明日からは、もっと大きな戦いが待っている。配信ギルドの闘争、そして黒曜の塔の謎。だが——
俺は一人じゃない。
それだけで、どんな困難も乗り越えられる気がした。
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