第11話 襲撃者の正体 〜配信ギルドの闇〜
暗殺者が突っ込んでくる。
毒塗りの短剣が月光を反射して煌めいた。
「遅い」
俺は横に躱し、すれ違いざまに右膝を斬りつける。
【鑑定】で見えた古傷の位置。正確に狙った。
「ぐあっ!」
暗殺者が膝をつく。
その隙に、俺は次の敵へと向かった。
「『ウィンドカッター』!」
ミラの風魔法が二人目の暗殺者を吹き飛ばす。
彼女は後方から的確に援護してくれていた。
「タナカさん、左から三人来ます!」
「わかってる」
【鑑定】で全員の位置は把握済みだ。
三人が同時に襲いかかってくるが、その攻撃パターンも見えている。
一人目の突きを半身で躱し、二人目の斬撃を剣で受け流す。
三人目が背後から迫るが、俺は振り向きもせずに後ろ蹴りを放った。
「がはっ!」
みぞおちに入った蹴りで、三人目が悶絶する。
その間に一人目と二人目の急所を突き、戦闘不能に追い込んだ。
「ば、馬鹿な……たった一人で……」
リーダー格の暗殺者が、信じられないという顔をしている。
「お前たち、何者だ。正直に答えろ」
「……く、配信ギルドの暗部だ。お前を排除しろと命令された」
「誰の命令だ」
「上層部だ。それ以上は知らない……本当だ」
俺は【鑑定】で男の言葉を分析した。
【発言分析】
真偽:真実(90%以上の確率)
補足:末端の実行部隊。詳細な情報は持っていない
どうやら本当に何も知らないらしい。
「もう一つ聞く。ランキング1位のレオンは、この件に関わっているか?」
「レオン様は……直接は関わっていない。だが、お前を『目障りだ』と言っていたのは事実だ」
レオン。
配信者ランキング1位。剣聖と呼ばれる最強の冒険者。
「そうか。もう行け。だが、これ以上俺に関わるな。次はない」
暗殺者たちは、仲間を担いで逃げていった。
◇◇◇
「タナカさん、大丈夫ですか!?」
ミラが駆け寄ってくる。
「ああ、問題ない。そっちこそ怪我はないか」
「私は平気です! リーナさんも無事です」
リーナが後方から歩いてくる。
戦闘には参加しなかったが、回復魔法の準備は万全だったようだ。
「セイイチさん、あの人たちは……」
「配信ギルドの暗部だ。俺を消すために送り込まれたらしい」
「そんな……」
リーナが顔を青くする。
「配信ギルドって、そんな危険な組織だったんですか?」
ミラも驚いている。
彼女も配信者だが、ギルドの裏側は知らなかったようだ。
「どの組織にも、光と闘がある。配信ギルドも例外じゃないってことだ」
俺は前世でブラック企業にいたから、組織の闇については詳しい。
表向きはクリーンでも、裏では何をやっているかわからない。
「でも、なんでタナカさんを……」
「俺が急成長しているからだろう。脅威に感じたんだ」
専属契約を断ったことも関係しているかもしれない。
だが、それだけでここまでするか?
「レオン様が関わっているって……」
「直接は関わっていないらしい。だが、俺を目障りに思っているのは事実のようだ」
レオン。
いずれ会うことになるだろう。
「……王都に着いたら、配信ギルドには気をつけた方がいいな」
「はい……」
二人とも、少し怯えた顔をしている。
無理もない。命を狙われるなんて、普通は経験しないことだ。
「大丈夫だ。俺がいる限り、二人には指一本触れさせない」
「タナカさん……」
「セイイチさん……」
二人の目に、安堵の色が浮かんだ。
俺は空を見上げた。
月が雲に隠れ、闇が深くなっている。
王都への道は、思った以上に険しいかもしれない。
だが、引き返すつもりはない。
「さあ、行くぞ。王都まであと二日だ」
「「はい!」」
俺たちは、再び王都を目指して歩き始めた。
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