第7話 コラボ配信 〜最強タッグ、爆誕〜

「はい! 今日は特別配信です!」


 ミラが元気よく配信を開始した。


『コラボきたー!』

『タナカ×ミラとかヤバい』

『視聴者数どこまで行くか楽しみ』


 開始直後から、視聴者数が異常な伸びを見せている。


『視聴者数:25,000』


 俺の通常配信の倍以上だ。

 ミラの人気、恐るべし。


「今日は私のファンのみなさんに、タナカさんの凄さを見せつけますよ!」


「よろしくお願いします」


 俺は淡々と返す。

 ミラとは対照的なテンションだが、これでいいだろう。視聴者は差があった方が面白い。


「今日のダンジョンは『黄金の神殿』! 最高難度の一つです!」


『え、いきなり最高難度?』

『大丈夫なの?』

『さすがに無謀じゃ……』


 俺も正直、挑戦的な選択だと思う。

 だが、コラボで低難度をやっても面白くない。


「大丈夫ですよ。タナカさんの【鑑定】があれば、なんとかなります!」


 ミラは俺を信頼してくれている。

 その期待には応えなければ。


「じゃあ、入りましょう」


 ダンジョンに入る。

 黄金に輝く神殿。壁も床も、全てが金色だ。


「さっそく来ましたね。ゴールデンナイト、3体」


【ゴールデンナイト】

弱点:兜の内側(首の付け根)、左膝の関節

攻撃パターン:連続斬り(3連撃、予備動作0.2秒ずつ)、シールドバッシュ(予備動作0.5秒)

特殊能力:体力が30%を切ると狂戦士化、攻撃速度2倍

攻略法:左膝を攻撃して機動力を奪ってから、首を狙う


「ミラさん、俺が前に出ます。サポートお願いします」


「了解です!」


 俺は前に出る。

 最初のナイトが連続斬りを繰り出してくる。


 予備動作を見切り、3連撃全てを回避。

 返す刀で左膝を斬る。


 ナイトがよろめく。

 その隙に、兜の隙間から首を一突き。


「1体目、終了」


『はっや!!』

『予備動作0.2秒を見切るの人間か?』

『鑑定がチートすぎる』


 残り2体も、同様に処理。


「タナカさん、すごいです!」


「次、行きましょう」


 俺たちは奥へと進んだ。

 道中、様々なトラップや敵が現れるが、【鑑定】で全て対処する。


 そして、ボス部屋の前。


「ボスは『黄金竜ゴルドラ』。このダンジョン最強の敵です」


【黄金竜ゴルドラ】

弱点:左目(古傷あり)、腹部の鱗が剥がれた箇所(右寄り)

攻撃パターン:ブレス攻撃(予備動作2秒、首を引く)、尻尾薙ぎ払い(予備動作0.8秒)、突進(予備動作1.5秒、前足を踏みしめる)

特殊能力:体力50%で第二形態、翼が生えて飛行可能に

攻略法:第一形態で左目を潰し、第二形態で腹部を集中攻撃


「ミラさん、第二形態に入ったら、俺を上に飛ばしてくれますか?」


「飛ばす?」


「風魔法、使えますよね。俺を空中に打ち上げてください」


「……わかりました! 任せてください!」


 ボス部屋に入る。

 黄金に輝く巨大な竜が、俺たちを睨みつけた。


「来ます。ブレス」


 竜の首が引かれる。

 俺とミラは左右に分かれて回避。


「今だ」


 俺は左目に向かって剣を投げる。

 正確に左目を貫き、竜が咆哮を上げた。


『視力を潰した!?』

『剣投げてヒットとかヤバすぎ』


 竜の体力が50%を切り、背中から翼が生えた。

 第二形態だ。


「ミラさん!」


「はい!『ウィンドブースト』!」


 風の魔法が俺を空中に打ち上げる。

 飛行中の竜と同じ高度に達した瞬間、俺は新しい剣を構えた。


 腹部の鱗が剥がれた箇所が見える。

 そこに、全力で剣を突き立てる。


 ズブッ!


 手応えがあった。

 竜が断末魔の叫びを上げ、地面に墜落する。


「……討伐、完了」


『うおおおおおお!!』

『神配信すぎる!』

『タナカ×ミラ最強!』


『視聴者数:52,847』


 5万人超え。

 とんでもない数字だ。


「やりました! タナカさん、最高です!」


 ミラが飛びついてくる。


「お、おう……」


 予想外のスキンシップに、少し動揺する。


『タナカ照れてるwww』

『ミラちゃん積極的すぎw』

『お似合いじゃん』


 コメント欄が盛り上がっている。


 ……まあ、配信としては成功だろう。

 これで視聴者も増えるはずだ。


「また一緒にやりましょうね、タナカさん!」


「ああ、機会があれば」


 俺は曖昧に返事をした。

 だが、ミラの目は輝いている。


 どうやら、また巻き込まれそうな予感がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る