第12話: グラナディア補強部隊合流



ザコたちが拠点で盾の手入れをしていると、遠くから軽快な足音とともに新しい部隊が姿を現した。


鎧の光が朝日に反射し、見慣れぬ顔ぶれにザコは思わず眉をひそめる。


「なんだ、こいつら…少し装備が豪華すぎやしないか?」ガロンが小声で言う。


そこに先頭を切って現れたのは黒髪の長身、眼鏡をかけた青年。


鋭い視線をザコ部隊に向け、すぐに状況を把握している。


「落ち着け、こちらは新兵補強部隊だ。私はエリアス、状況確認と指揮を担当する」


その後ろに金髪のポニーテール、短剣二刀流の女性がにこやかに手を振る。


「あたしソフィア!前線担当。戦場で会ったらよろしくね!」


「…よろしくです」


ザコは小さく返事し、ミカエルは呆れた顔でつぶやいた。「もう好きになるなよ…」


その後ろに茶髪の丸顔青年フェリックス、赤髪の陽気なダンテ、銀髪の冷静なサイラス、紫髪の魔法兵アリア、そして柔和な白髪のマッテオが続く。


ザコが呆然としていると、ダンテが軽快に近づき、肩を叩いた。「おーおー、聞いたぜ!お前が一兵卒のザコだってな。噂通りビビリじゃねーかw」


「ちょっ、やめろ!こっちは仕事中だぞ!」ザコが赤くなりながら言い返すと、ガロンが後ろで笑いながら肩を揺らす。「お前、やっぱり兄貴って呼ばれるの慣れてねえなw」


「ちょっと待て、みんな!まずは自己紹介だ」


エリアスが冷静にまとめ紹介する。


「えー、彼はダンテ。ちょい…トラブルメイカーだ!」


「うっすー!」赤髪が胸を張る。


「サイラスは遠距離担当。弓なら敵なし」銀髪が無表情で言う。「宜しく」


「アリア、魔法支援。」


「火と氷で戦況を翻弄するわ」紫髪が淡々と説明。


「マッテオ、医療担当。」


「戦場でのケガは任せろ」柔和な笑みを浮かべる白髪。


「フェリックスは後方支援、物資管理だ。」


「あっ、何か壊れても俺が直すっす!」丸顔が力強くうなずく。


ザコは圧倒される一方、ガロンは小声で囁く。「…なんだ、この装備とスキル。うちの部隊、ちょっと格上と合流したみたいだな」


ダンテはさらに笑いながらザコに絡む。「よぉ、一兵卒!暇そうだからって盾磨きばっかしてんのか?そのうち俺がイタズラしちゃうぞw」


ザコは苦笑いしながら、「暇なんだよ!…って、やめろ!」と必死に防御の盾を高く上げる。ミカエルは呆れる。「…面倒だな」


その光景を密かに見守るサイラスは、無言で観察していた。

目に見えるのは戦力差ではなく、この一兵卒の不可思議な存在感。


結局、新兵補強部隊はザコ部隊の脇で整列し、笑いあり、突っ込みありの自己紹介を終えると、全員が拠点に馴染んでいく。


ザコは肩をすくめ、ガロンは半ば感心してつぶやいた。「…なんだかんだで、こいつら、意外と使えるかもな」


新しい仲間たちの存在に少しだけ心が弾むザコ。だが、ミカエルは冷たい眼差しを向け、心の中で呟く

「…まだ本当に面倒を見る羽目になるとは思っていないだろうな」


そして、グラナディア小国ザコ部隊は少し賑やかになった拠点で、次の戦いに向けて静かに準備を進めるのだった。


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