冒頭の寒さや疲れを感じさせる描写が、こちらの身をぶるりと震わせる説得力があります。雪が振り積もるさびれた街で、一人佇むものかなしい孤独も、その「冷え」をさらに助長させます。そんな主人公が向かった先にあったのは、懐かしの銭湯。いまはめっきり数を減らしましたが、温かな雰囲気を感じさせる筆致にふわりと心がほぐれました。やっぱり風呂っていいもんだな。そんな安心感を思い出させてくれる、素晴らしい作品だと思います。
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