OBOn

第1話

 ⭐️主な登場人物


 ・野村由紀


 不思議ちゃん

 中一

 身長165センチ

 星座はインフルエンザ

 血液型はクワガタ

 好きな食べ物はない。甘ければなんでもいい

 不思議すぎて、一人でいることは多い


 ・西田義隆


 主人公

 中一

 身長145センチ

 星座は水瓶座

 血液型はA型

 ただ単にコミュ障

 虫苦手だが、触れられなくはない

 ただ、虫触ると、つぶしそうなので、掴めない、触るのはできる、手のひらに載せるのも、手に這わせるのもできる

 精通は小四


 _________________________

 中学一年生が始まってから、一学期が終わったというのに、ぼっち、コミュ障。

 それが僕、西田義隆である。

 この学校には、僕の他に一人でいることが多い人がもう一人いる。

 それが、野村由紀。別名不思議ちゃんである(僕が勝手にそうあだ名をつけただけ)。

 だが、不思議ちゃんは、誰も相手してくれないから、ぼっちというより、自分から一人でいることが多いというような印象だ。

 誰とも喋れないから、ぼっちな僕とは違うタイプの人間だ。

 そんな僕が、学校からの帰りに校門へと紡ぐ道の花壇で目に涙を浮かべ、無表情でアリを踏み殺してる途中の不思議ちゃんを見つけた。

「やべーやついる」と感じて遠回りして違う門から出よう考え、進行方向を変えようとして、振り向くとそこには不思議ちゃんがいた。

 一瞬のうちに背後に周って立っていたのだ。瞬間移動でもしたのだろうか…。

「さっきから見て…どうしたの⁇」

 とそう不思議ちゃんは訊いてきた。

「へ…い…いや…み…見てないです…」

「嘘、さっきずっと私のことじいっと見てた、好きなの⁇」

「好きでもないですごめんなさい帰ります」

 と早口でそそくさと帰ろうとした時。


「メダカ‼︎」

 と不思議ちゃんは叫んだ。

「め…だか…?」

「そう、私のペット」

「この子」といいながら、ポケットからゴソゴソ出したのは土だらけで、腹の部分の肉がえぐれて少し無くなってるメダカの死骸。

「この子ね、ここに埋めたら、アリにお墓掘り返された」

 不思議ちゃんの表情は無だったが、悔しそうに見えた。

「…お腹も少し…喰われた…そういうことだから‼︎」

 そう告げると、野村は、また元の場所に戻って、アリを踏み殺し始めた。

(そういうことだから…って言われても…)

「………あの…いっ、家の庭には埋めなかったの?」

 僕は先程まで関わりたくないと思ってた不思議ちゃんにいつのまにか話しかけてしまっていた。

「あー、その手があったか」

 と意外そうな不思議ちゃん。

(なぜ最初にそれを思いつかない…)

 そう心で呟くと、彼女はそれが聞こえてたかのように、返事をした。

「でもメダカといえば学校じゃない⁇」

 と、不思議ちゃんはめ〜だ〜か〜のがっこうは〜♪と歌い出した。

「…川の中では?」

「一理あるね」

(一理あったのか…)

 そう思ったのも束の間。

 不思議ちゃんは水筒を取り出してその中身を確認し、なんともいえない顔になった。

「君‼︎水筒の中身は何⁇」

「みっ…水だけど」

「まだ飲む⁇」

「い、いやぁ…もう飲まないかなぁ…」

「よしっ‼︎じゃあ、私のお茶はアリの巣用だ」

 とアリの巣の出入り口をほじくり、拡張して(なんか、えっちだ)、不思議ちゃんの水筒の口をそこにブッ刺し、お茶をドボドボと全部流し込んだ。

 これでは川というより水攻めである。

「ひゃあ」

 大量のアリが巣から出てきた、それを即座に踏みまくる不思議ちゃん。

 流石に量が量なので踏み捌ききれないのか、何匹か取りこぼしている。

「君‼︎ちょっと手伝って‼︎」

「うぇ…僕…?」

「早く‼︎」

 なんとも迫真的だ。

 仕方なく僕もありの踏み殺しに協力をした。

(命なんて人によっては平等じゃないよなぁ…)

 しばらくすると、アリは巣から出てこなくなった。全員踏み殺したのか、水攻めで死んだのか、巣から出ても死ぬだけだと悟って隠れているのか。

 なんにせよ不思議ちゃんは満足したようで。

「君すごいね‼︎アリいっぱい出した後、私よりも踏んだんじゃない⁉︎」

 僕はいつの間にか夢中になっていたようで、僕の周りの地面には黒い痕が大量に付着していた。

「この子はどこに埋めよう…」

(自分の家には埋めないのか…)

 するとまたしても僕の心を見透かしたように不思議ちゃんは言った。

「私やっぱり学校がいいと思う‼︎アリが来ないように、虫が少ないところがいいよね…」

「校庭…とか…?」

「いいね」

 校庭の縁の縁に移動し、不思議ちゃんはメダカの埋めるための穴を掘る。

「水筒貸して‼︎」

 と、不思議ちゃんは僕の手から水筒をぶんどった。

「やっぱりメダカちゃんは学校で川の中じゃなくっちゃ」

 すると、僕の水筒をメダカの墓にブッ刺し、とくとくと水を注いだ。

(いやまぁ、別に水筒は洗えばいいからいいけどさぁ…)

 校庭は水捌けの悪い土を使っているのか、水が溜まり、川というより小さな池だが、不思議ちゃんは、その中にメダカを入れて、その上から土を被せた。

 そして校庭の淵にあるそり立つ壁に、「メダカちゃん」と小さく傷をつけた。

「あの世で幸せに暮らせますよーに」

 不思議ちゃんがそう祈る姿を見て、なぜだか僕もメダカの冥福を祈っていた。


 やっぱり不思議ちゃんは不思議だ。


 次の日から不思議ちゃんは水筒の中身を水にしてきたらしく、毎日帰りに校庭に行っては作ったお墓に水をかけてあげているのを見かけるようになった。

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