第2話

 落ち着け、落ち着くんだ。そう、落ち着いて、探検に出ようではないか。俺はこの時、ものすごく混乱していた。

「あれぇ? 君、こんなところでどうしたんだい?」

「へっ⁉ だ、だだだ誰ですか⁉」

目の前には綺麗な男の人。本当に人間ですか、っていうくらい顔立ちが整っている。

「えっ、僕のことを知らないのかい? 僕はゼウス! 最高神だよ!」

神様でしたか。うん、なんで? どういうこと?

「か、神様……ってコト……?」

「そうだけど?」

もう何も言えねえわ。なんで扉の先に神様が住んでるんだよ。

「この森には近づかない方がいいよ」

「あ、ありがとうございます」

とりあえずお礼を言っておこう。それにしても綺麗な人だなあ。

「ところで君は人間?」

「え、そうですけど」

「そうかそうか! それじゃあ、どれに付くんだい?」

「は?」

どういう意味だ? よく分かんねえけどこういう時は間を!

「中立で」

「……ふーん」

ゼウス様はそのまま行ってしまった。な、何かマズいことを行ってしまったのだろうか。それよりもどうしよう。帰れないし、食料も寝床もない。人生詰んでしまった……。

「あれ、珍しいね。この森の近くに人がいるなんて」

こ、この人も美しい……⁉ 神様ってなんでこんなにイケメンなんだ……!

「あ、あの、どなたなのでしょう……?」

「ヘルメスだよ」

うむ。聞いたことないな。有名なのだろうか……?

「この森には近づかないでね!」

ヘルメス様はそう言って立ち去ろうとする。

「ま、待ってください!」

「うん?」

「お、俺、今日の飯も寝床も無いんです……助けてください……!」

「ん~……いいよ! ぼくの家の部屋は幸い空いてるしね! じゃ、行こっか!」

やったあ! これで衣食住には困らない! 後はお金を稼げば問題なし!


 いや、広すぎだろ⁉ え、は、え⁉ ヘルメス様の家はとてつもなく大きかった。こりゃあ、部屋は余りますな。

「ぼくは三男でね。ここにはお父様と長男、次男、ぼく、四男、それとまあ、侍女たちがいるんだ」

ヘルメス様ってお坊ちゃん⁉ こ、こんな豪邸に住んでいるなんて!

「まあ、一応? お母様も? いるけど血は繋がってないし、お母様では無いかなあ。君はとりあえず侍従になってもらう」

まあ、働けるんだし、いっか。俺はうなずく。

「じゃあ、みんなに紹介するから!」

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