扉の向こうには神様がいた

星紫

第1話

 「鋼牙~。飯~」

「自分でやれよ!」

「なに? お姉ちゃんに文句でもあんの?」

「お菓子ばっかり食ってるから太るんだよ!」

「はあ⁉ 何ですって⁉」

俺らは今日も喧嘩をする。コイツは俺の姉貴。フリーター。最近は仕事が入ってこないからほぼニートみたいなもんだけど。いい大人なのに学生の俺に養ってもらおう、なんて普通はう逆だろ!

「とにかく俺はやらねえからな!」

「何でよ! もういいわ。お菓子を食べるもんね~」

「おい、ケーキは一日一切れだぞ!」

「…………」

姉貴が黙る。さてはもう食ったな⁉ あんなに言ってあったのに!

「ていうか~、お姉ちゃんに向かって舐めた口聞かないでよね~」

「お前が悪いだろ!」

「神様に呪われちゃうよ~?」

「てめえの方が罰当たりなんだよ! さっさと悔い改めて仕事しろ!」

「うぐっ……⁉」

仕事、という単語は姉貴にとっては天敵! 効いてる効いてる。


 深夜。姉貴に起こされた。

「ねえ、タバコちょーだい」

「学生の家にタバコがあるなんて思うなよ。我慢しろ」

「ヤダヤダヤダ~! 買って来いよぉ~!」

駄々っ子かよ! マジで眠いのにこれじゃあ寝れねえわ。さっさと買ってきて寝よう。

「買ってくる、買ってくるから。大人しくしろ」

「それでこそ鋼牙だわ! 早く買ってきてね!」

「へいへい」

俺は仕方なくベッドから出る。はあ、なぜ深夜に学生がタバコを……あれ、学生じゃあタバコ買えないんだっけ。

「悪い。学生じゃタバコ買えねえっぽいわ。じゃあ、おやすみ」

「はあー⁉ 何それ何それ! じゃあお酒!」

「もっと無理」

「じゃあお菓子!」

「しゃあねえなあ」

お菓子なら買えるだろ。俺は眠いのに深夜にコンビニに行く羽目になったのだった。

 「ふわあ……」

俺はコンビニにお菓子を買いに行って帰っているところだった。店員さん、変なものを見る目をしていたな。でも仕方ない。その目は俺じゃなくて姉貴に向けてくれ。しかし帰るとき、俺は変なものを見つけた。普段は壁なのになぜか扉になっていたのだ。

「……え?」

きっと疲れているんだ。そう、そうに違いない。こんなところに扉なんかあるわけがないんだから。俺は目をこすってもう一度見る。うん、扉だな。ちょっとのぞいてみたい。興味が出てきた。俺はそっと扉を開ける。けど、いきなり誰かに突き飛ばされたと思ったらもう中に入っていた。

「は⁉ え、え、ちょ⁉ はあ⁉」

扉が無くなってる……。嘘だろ⁉ 目の前にはなんか知らない人たちが走り回っている。どういうことですか、これ?

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