第13話 『未設定』

「想い、続けて入れ……」







「後ろから、筋肉の隆々とした黒い馬が近づいてきます!──」


 右目を開けると馭者ぎょしゃの引き攣った顔が見えた。手綱を握りながら振り返っている。

 乗り合わせた客がざわついていた。

 乗合馬車は縦座席が側壁の両側にあり、座席同士が向かい合っている。ハルタは進行方向右手の一番前の席に座っていた。

 向かいの席で、男の子と女の子を両隣に抱えた母親が縮こまっている。その最後部には、純白のローブの者が座っていた。フードで隠れていて顔は見えない。ハルタと同じ座席の最後部に中年の男。

 ここ数日、立て続けに色々あったせいか、ハルタは疲れていた。寝起きで機嫌が悪い。半醒半睡に聞こえた気がする馭者の声に従って、ハルタはもう片方の目を馬車の後方へやった。

 遠くに、馭者が言った通りの黒馬こくばの姿があった。一般的な馬のサイズを優に超えている。山鉾やまぼこのように大きい。


「あれ、近づいてきてませんか?」


 向かいの母親が言った。声に緊張が帯びている。


「そう言ってるじゃないですか」


 とやや声を張る馭者。


「もっと速度上げれんのか」


 中年の男が苛立ちを浮かべる。


「これが最速でして」


「そんな悠長なこと言っとる場合か」


「そう言われましても……」


 場が騒然とする中、声が聞こえた。ハルタは反応し、辺りを見渡す。右往左往した視線は、いずれ馬車の後方へ向いていた。


「ベンジェンス・フォールズ!──」


 黒馬がすぐ近くまで来ていた。馬の脚が地面を蹴るたび砂煙が舞い、砂嵐のような背景が黒馬の後ろにできていた。

 地響きのような音が馬車を迫う。

 やがて黒馬は見る見る小さくなっていく。気が付くと通常サイズの馬が馬車の後ろについていた。


「止まれぇ、ベンジェンス! いるのは分かってる!」


 馬が喋っている。乗客たちは耳を疑った。

 母親の隣にいた男の子が「首ぃ!」と指を差した。乗客たちの視線が戸惑いながら馬の背を見た。

 黒馬の背に、人間の首があった。黒い頭髪に覆われている。胴体がない。生首だ。

 悲鳴が上がった。母親だった。

 中年の男が怯えた面で後ずさる。

 首の両目は、筆のような長いまつ毛によって隠れていた。まつ毛の先端が顎からはみ出て風に揺れている。

 ハルタが立ち上がって、


「すいません、ここで降ります」


 馭者が「降りる?」と聞き返した。苛立ちを浮かべながら。


「そう言われましても……バステルはまだ先ですよ?」


「あの黒馬を引きつけます」


「いま馬車を止めたら」


「このまま行ってください。俺は適当なところで飛び降りますので」


「飛び降りるって、お客さん」


「あとは歩いていきます」


「そういう問題じゃ」


「バステルには入りたくないって言ってませんでした? 丁度いいでしょ」


「それは、そうですが……」


 ハルタは側壁に手をつきながら揺れる馬車の中を左足だけで移動した。


「助太刀致しましょうか」


 後部へ来ると、純白のローブが顔を上げていた。透き通った白い肌に、くっきりとした目鼻立ち。フードの奥に見える、美形な男の顔にハルタは驚いた。

 男は腰の剣の柄に手を添えていたが、


「いえ、お気遣いなく」


 とハルタが言うと手を離した。

 ハルタは会釈し、それから飛び降りた。

 地面へ着く前に右足を生やす。慣性の解かれた体が着地と共にバランスを失い、足を滑らせて顔面を打ち付け、ハルタは無様に地面を転がった。

 体はぼろぼろだった。顔は血まみれ。だが腕や足の擦り傷、顔の傷までもが流れた血だけを残して綺麗に治っていく。

 馬車が進行方向を変え、大きくカーブを描き、砂利とつぶての大地を無事に走り去っていくのが見えた。

 安心して尻餅をついていたハルタの股間の目の前、地面へ黒馬の前脚が突き刺した。ハルタはすぐに立ち上がり、追い打ちを避けながら距離を取る。


「一二年ぶりか」


 首が言った。黒馬の背から見下ろしている。

 ハルタには、何のことだか分からない。生首の知り合いなどいない。記憶を辿ってみたが、やはりいない。


「魔物の類か」


「魔物だと? てめぇ、それが命の恩人に対する態度かよ。やっとニオイがしたと思い来てみれば……なんで今まで使わなかった?」


「何の話だ?」


「惚けんてんじゃねぇ、ニンゲンコウボウのことだ」


「いんげんこうぼ?」


「人間工房だよ、白々しい。この睫毛まつげの落とし前、つけてもらうぞ。術を解いたって許さねぇ。一二年だ、一二年だぞ、想像できるか? あれから俺の日々は夜一色になった。毛が重くてまぶたが持ち上がらねぇ」


「なあ、人間工房って、もしかしてこれのことだったりするか?」


 ハルタは右腕を軽く掲げた。

 赤い薔薇の花束のような腕を見た途端、「はっ!」と生首が笑い飛ばした。


「なんだそりゃ、一二年も有ってそれだけか? いいねぇ、いいねぇ、ありがとよ。新品さらぴんってわけにはいかねえが、好都合だ。ありがてぇ。じゃあ今度こそ貰うぜ、てめえの人間工房」


 黒馬の上がった前脚がハルタへ襲いかかる。


「デストバ、大人しくしてろ。俺がやる」


 生首が黒馬の背からハルタへ向かって飛びついた。

 タコが触腕しょくわんを広げたような黒髪が、生首の背景で広がっている。まるで毛髪が生きているようだ。髪の束が手のように動いている。尖った毛先がハルタを襲った。

 ハルタが上手く避けると、毛先が足元の地面を突き刺した。人間の体なら簡単に貫いてしまうだろう。

 その攻撃の瞬間に隙ができた。

 ここぞとばかりにハルタは右腕を振り下ろそうとするが、生首が視界から消えていることに気付いた。動きが止まる。

 右脇腹に激痛が走った。鋭利な毛髪が、ハルタの脇腹を貫いていた。

 体は反応できなかったが目では見えている。右へすれ違っていく首の瞼──長い睫毛と目が合った。口元が笑っている。カウンターが成功したことに満悦の様子。

 殴りたい。ここで今、この瞬間に、こいつを殴ることができれば……。

 ハルタは欲求した。直後、右脇腹から流れる血がぼこぼこと音を立て、独りでに動き出した。赤い線が傷口から伸びる。鞭のようにしなり、生首が操る髪の束の一部を切り落とした。


「枠を二つも……」


 生首の声が酷く動揺している。


「デストバ、退却だ!」


 と黒馬へ言った。

 いつのまにか互いに場所が入れ替わり、ハルタは黒馬を背にしていた。生首とハルタは距離を取り、向かい合っている。


「おい、何してる」


 黒馬がふらついて、その場に倒れ込んだ。

 馬の体から砂鉄のような粒子が螺旋状に上げっていく。黒い渦が全身を包み込み、それが見る見る小さくなっていった。

 渦が晴れると、倒れていたのは黒い馬ではなく、裸の女だった。

 艶やかな長い黒髪に白い生肌。大人な美形の顔つき。


「デストバ!」


「無理ですぅ~、体に力が入りませんですぅ~」


 子供のような口調。

 生首が頭髪の間から何か小さなものを取り出した。日差しが反射して一瞬光った。金貨だ。尖った髪の先端で金貨を貫くと、首の背後に黒い渦が現れる。

 金貨をぽいっと捨て、舌打ちした。


「デストバはくれてやる」


「ま、待って」


 裸の女が首へ手を伸ばしている。助けを求めるように。


「戦利品だ、取っとけ」


「ヴィ様、待ってくださいですぅー!」


「っるせえ!」


「置いてかないでぇえー! 私を一人に──」


「勘違いすんな。足に丁度良かっただけだ。馬なら他にいくらでもいる。従うことに違和感持たねぇのが奴隷だ。人語を話すから特別扱いしてやってたが、お前に比べりゃ話さねえ馬の方がずっと楽だ」


 渦の中へ入ろうとしている生首に、空かさず距離を詰め、ハルタは片手で頭をがしっと掴んで投げた。


「ポータルが!」


 地面へ打ち付けられワンバウンドして止まった生首が、消えゆく渦を見て叫んだ。

 リュックから魔法陣生成に使う用のロープを取り出し、ハルタは素早く生首をロープでぐるぐる巻きにした。生首は、ボールネットに収納されたサッカーボールのようになっていた。


「で、何で襲ってきた?」


 サッカー少年がボールネットに入ったサッカーボールを蹴るように、ハルタは生首を蹴った。生首の頭頂部辺りに重なっているロープの紐がハルタの右手に握られている。

 生首がハルタの足元で、縦に弧を描いている。


「わ、わっ、分かったから、やめろ!」


 ハルタは足を止め、ネットの上部を掴んで生首の顔を自分の側へ向けた。


「お前ら何だ? 生首は喋るわ、馬に化けるわ」


「馬が化けてんだよ、女にな。デストバは俺様の足だ」


「……で、お前は?」


「名乗っただろ」


「いつ?」


「は? てめぇ、惚けてんのか。それとも本当に」


 ハルタは上部のロープを掴み、また生首を蹴った。


「わ、わ、分かったよ。ヴィだ、ヴィ」


「ヴィ?」


「そうだよ、蹴るなよ」


 変な名前だとハルタは思いながら、ヴィの顔を自分の側へ向ける。


「なんで俺の名を知ってる」


「何が」とヴィ。


「ベンジェンス・フォールズって言っただろ」


「あー、それか」


「バステルの外で、その名を名乗ったことはない。お前、町の人間か?」


「いんや、違う。俺はの人間じゃねぇ」


「……あそこを村と呼ぶのは、古くから住んでる人だけだ。お前、魔物じゃないのか? 生首だよな」


「お前の周りじゃ魔物が喋るのか?」


「いや」


「だろ」


 ハルタは右腕からまた腕を生やした。ヴィが“人間工房”とそう言っていたことを思い出したのだ。だがヴィは露骨に顔を逸らし、唇をつぐんだ。答える気がないらしい。

 ハルタは相手の表情は目を見て判断する癖があったが、慣れてきたのかヴィの頬や口元の微妙な変化が見えるようになっていた。


 砂利しかない広野の真ん中。辺りには何もない。遠くの地平線に山の縁が微かに見え、オアシスのように揺らいでいる。

 ハルタはそれに目を細めて、ため息をついた。


「バステルまで、まだかなりある。お前らのせいで馬車を降りる羽目になった。あいつに馬になるように言え。片道だけでいい、俺をバステルまで運べ」


「無理だ、疲れてる」


「頑張るように言えよ」


「疲れたら馬に戻れねぇ。そのくせ好奇心旺盛で、俺の指示を時々無視しやがる。おかげでお前のニオイを感じてからここへ来るまでに、随分と時間がかかっちまった」


 豪快な泣き声が聞こえた。

 デストバが岩に顔を埋めて大泣きしている。


「それにすぐ泣く」


 ハルタは急にヴィを逆さに向け、ネットから落とした。顔から地面へ落ちる。

 ぺっぺ、と口に入った砂を吐きながら「てめぇ、何しやがる」と、離れていくハルタの背中へ喚いた。


「置いていくつもりか。こんな何もない荒野に」


「生かしてやるんだ。喋る生首なんて殺したら祟られそうだしな。もう襲ってくるなよ」


「何が祟りだ、蓋魔のくせに」


 ヴィのところまで戻っていって、ハルタは勢いよくヴィを蹴り上げた。飛んでいったヴィは、近くの岩の表面に当たって地面へ落ちる。

 不機嫌なハルタの顔がその場を離れようとして、


「待て。行くな」


 痛みに耐えながら、ヴィは声を張った。


「悪かった、もう言わねぇよ」


 ハルタは鼻で笑い飛ばす。


「俺だけでいい。頼む、バステルまででいい。魔力が切れちまって髪ももう動かせねぇ」


 その発言の直後、ぐずり泣くデストバの声がまた大泣きに変わった。

 ハルタは足を止めて振り返る。


「魔力で動かしてたのか」


「ああ」


「お前を助けて俺にどんな得がある。質問には答えないわ、馬にもなれないわ、襲い掛かってくるわ」


「もう襲わねぇよ」


 ヴィはにんまりと笑って言った。歯茎の間から血が滴っている。


「何も覚えてないんだろ。歳はいくつだ」


「歳? なんでお前にそんなことを」


「いいから言ってみろ。話が聞きたいんだろ」


 一九歳、と答えるか、二〇歳と答えるかでハルタは迷った。


「一九歳」


「一二年前ってことは、七歳か。ま、七歳なら忘れてもおかしかねぇか……」


「何をぶつぶつ言ってる」


「七歳のお前に俺は会ってる。俺は、お前の命を救った」


「救った?」


「そうだ。俺を連れて行けば、知りたいことが知れるぞ」


「まず人間工房について答えろ」


「ああ、答えてやる。知ってることだけな。取引きだ、って、おい、どこ行く」


 ハルタの足はデストバへ向かっていた。


「この女の服は?」


「いらねぇんだろ? 放っておいていい」


「服はどこだ」


 ヴィは舌打ちし、


「デストバ、服を着ろ」


 裸体の女の体から砂鉄が噴き出した。全身が砂鉄が覆われる。風が攫うように砂鉄が消えると、女は肩だしチャイナドレスのような黒いドレスを身に着けていた。



 ※



「お人よしだな、ベンジェンス」


「その名で呼ぶな」


 ハルタは背中にデストバを背負い、首からネットに入ったヴィを下げ、荒野を歩いていた。


「あの、重くありませんか?」


 とデストバが耳元で訪ねる。

 馬が人間に化けているのであって、人間ではない。

 ハルタは自分にそう言い聞かせながら歩いた。だが顔のすぐ傍から時折、女の甘い香りが流れて来るのは何故だろうか。獣のニオイがしない。


「胸を背中につけるな」


 デストバが焦って「ひゃ、ひゃい」と返事をする。


「すいませんですぅ……」


「くっくっく、ベンジェンス、てめぇ好き者だなぁ。いいんだぜ、好きにして。デストバはもうお前のもんだ」


「黙ってろ」


 人間の頭の重さは約五キロ。誤差は一キロ前後。人によって違う。それを首から下げ、一七〇センチメートルはありそうな女を背中に担いでいるというのに、ハルタはそれほど負荷を感じていなかった。

 これも、この生首の言う人間工房の力なのか。

 先ほどまで見えていた地平線の山の縁が、目の前に見えていた。



 ※




 少女が首を吊っている。

 剥けた白目。とろんとした黒目が上を向いている。首の後ろから伸びた張った縄が、樹木の太い枝と繋がっている。

 樹木の密集する夜の山中。樹木同士の頂上の先端が円を作り、少女を見下ろしているかのようだ。

 少女のぶらつく足元に、二人の大人──男と女が、それぞれ松明を手に突っ立っていた。少女の姿を表情の無い顔が見上げている。


「か、か、母、さん……」


 縄が締め付ける首筋の、肉の隙間から絞り出したような声が、足元の二人を呼んでいる。


「お父、さ……」


 だがその無表情は変わらず、二人は黙っている。人形と見間違ってもおかしくないくらいに、二人は動かない。

 どこからか半曲剣──サーベルが飛んできて、樹木に突き刺さった。

 縄がぷつんと切れ、少女が落ちる。地面から隆起した根の上に。

 大人二人の表情が動き出した。男が少女の首に巻き付いている縄の先端を確認し、女が辺りへ視線を振り乱す。

 そこへボーリング玉くらいの影が飛んできて、男を突き飛ばした。人影がやってきて、少女を抱きかかえ、樹木に刺さったサーベルを回収する。


「俺様をぞんざいに扱いやがって」


 ボーリング玉くらいの影が、人影の足元へ戻ってきた。


「あなた、あのが」


 動揺に震える女の声。

 駆け寄った女の手を振りほどき、「大丈夫だ」と男は立ち上がる。


「どなたですか、村の方ではありませんよね。ここはバステルの者以外は立ち入り禁止なんですよ」


 松明を落としてしまい、女が持っている一本しか手元になかった。

 そのもう一本を人影が拾った。人影の姿、顔を照らした。

 その人影の顔を見るなり、男の目が驚いたように見開いた。


「君は、開多はるた家の……」


 そこにハルタの姿があった。足元はヴィ。


「置いてかないくださいー」


 甘えた子供のような口調が、ハルタの背後に追いついた。デストバは膝を曲げ、やや腰を低くしながら息を切らした。


「そ、そのは蓋魔だ」


 男が焦ったように口を開いた。口調が乱れている。


「蓋ノ人ってのは骨の髄まで腐ってやがるな。また同じことしてやがる」


 ハルタの足元でヴィが言った。


「同じこと?」


 とハルタは訊ねる。

 間があって、「やっぱり覚えてねぇのか」とヴィはハルタを見上げて言った。


「じゃ言えねぇな。俺にも心はあんだぜ、首しかねぇがな」


 ヴィは時々、意味の分からないことを言った。伝える気がないのか。会って間もないが、ハルタには聞き流す癖がつきつつあった。


「この二人はな、首吊り自殺に見せかけて、自分の娘を殺そうとしてたんだよ」


 耳を疑った。ハルタはヴィを疑うように見て、それから二人へ視線を戻し、またヴィを見た。


「適当いうな」


「言ってねぇよ。お前も、あの二人が一向に助けようとしねぇから助けに入ったんだろ」


「そんなことして何の意味がある」


「知らねぇよ。こいつらに聞け」


「娘を返してくれ」


 父親の声が、ハルタとヴィの会話を遮った。


「あと数時間で日の出だ。それまでに終わらせて下山しなければいけない」


「今の話は本当ですか?」


「何がだ」


「このを殺そうとしてたっていうのは、本当ですか?」


「蓋魔だと言っただろ」


「それは聞きましたけど」


「ん、どういう意味だ? 君は開多家の人だろ、二年前に村を出て行った」


「……そうです」


「だったら分かるだろ」


「この村じゃ、蓋魔の怨霊はこうやって処理すんだよ」


 ヴィが気だるげに言った。


「処理?」


「首吊り自殺に見せかけた偽装殺人ってとこか、そういう習わしなんだろ。じゃなきゃ、こんな夜中に娘連れて山に入るか? クワガタ取りに来たわけでもあるめぇし。村人たちが寝静まったころ山へ入り、日の出までに処理して山を下りる。そんなところだろ」



「処理って、殺すってことか?」


「そういうことだ」


「どんな妄想だよ」


「容易に想像できるだろ。ここではこういうやり方なんだよ」


「お前、さっきから何言ってんだ?」


「お前が何言ってんだ。ここはお前の村だろ。何でお前が知らないんだ、俺が知ってて」


「首吊り自殺に見せかけた偽装殺人って何だよ。それのどこか妄想じゃないんだ」


「土地によって殺し方は違うだろって話をしたまでえだ」


 ※



「ハルタくん、


 待っててくれないか。


魔導書グリモワールを使った」


「だろうな」


「勝手なことをされては困るな」

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追放されたのは無能な俺じゃなく、優秀な幼馴染の方だった。(蓋魔の瓶夫:②第二原稿) 酒とゾンビ/蒸留ロメロ @saketozombie210

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