第4話
男は眠れませんでした。
……やらなければならないんです。
いいえ、でも、やりたくないんです。
その板挟みで、心が裂けそうでした。
その時、少女が男の部屋まで来ていました。そして彼女は言いました。
「……助けてくれて、ありがとう」
男は驚きました。
あの野生児だった少女が、ちゃんと礼を言えるようになっているのです。
成長している、普通の女の子として。
「……明日、君のツノの手術をする」
男は告げました。
少女の目から、一粒、涙が落ちました。
「……わかった。先生がそう判断するなら……」
涙を拭って、無理やり笑っておりました。
その笑顔が、男の胸を深く刺しました。命を救うとは、生かすことだと思っていました。ですが、ここで角を切ることは、彼女を“生き残らせる”だけで、生かすことではないのです。
ただ男は、無力な自分を右手を眺めることしか出来ないのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます