友達という関係
それから私と後藤さんは学校だけじゃなくって、色んなところに一緒に行くぐらいの仲になった。それは彼がいないという辛さを紛らわすためでもあった。
「誕生日っていつ?」
「私?私は3月12日。後藤さんは?」
「僕は12月25日。」
クリスマスの日!いいなー
それからも私達2人は、地域のお祭りに行ったり、夏休みの勉強会をしたり、ちょっと県外に出て紅葉を見に行ったり、後藤さんのクリスマス誕生会をやったり……
時間の流れが早く感じられるくらい、楽しかった。
彼がいないことを除けば。
あれから彼に連絡することはなくなってしまった。でも後藤さんでほんの少しだけ補われているような気がした。
私の心の中には「友達」の中に「好き」という心も芽生えてしまったような気がしていた。
冬休み明け。
学校に行くのは憂鬱と思いながらのそのそとベッドから下りて、身支度をし、私は家を出た。
学校につくと、いつもと違う雰囲気が漂っていた。
内容はよく聞き取れなかったけれど、後藤さんの噂話ということだけがわかった。
それだけの話のはずなのに、私はなぜかすごく心配になってしまい、後藤さんにどうしたのか聞いてみることにした。
「後藤さん、大丈夫?後藤さんの噂が聞こえちゃったんだけど。」
その言葉で後藤さんは少し黙ってしまった。
少し言い過ぎたかな……
「大丈夫だよ。
そう言っている後藤さんの顔はこわばっていた気がした。
それでも私達の関係は変わらなかった。
私の甘酸っぱいここは押し込んで、あくまでも「友達」という関係で。
それでも止まることはなく時は流れる。そんな関係が続くのが嬉しくもあり、悲しくもあった。
__2月14日 バレンタイン。
私はいつものお礼として、後藤さんに友チョコを作った。
あくまでも友達としてクッキーを。
学校に持ってくるだけOKだったから私は通学バッグに忍ばせて登校をした。
放課後。
「ご、後藤さん!」
私は後藤さんを呼んだ。
後藤さんは通学バッグに教科書やらなんやらを入れていたところだった。
後藤さんが振り向く。
「どうしたの?」
息を吸う。
心臓のバクバクを抑える。
でもどうしても緊張してしまう。
私は意を決して口を開ける。
「いつも私の愚痴とか聞いてくれてありがとう!これからもよろしく!」
と言って私はラッピングしたクッキーの袋を後藤さんの前に差し出した。
「……ありがとう」
そう言って後藤さんはクッキーを受け取った。
良かったあああ
私の心臓のバクバクが和らいだ。
無事に渡せたことだし、帰ろっ。
と思って私は通学バッグを持って
「後藤さん、じゃあね!また明日!」
と言って帰るつもりだった。
「待って。」
その言葉で私は足を止めた。
「ずっと話してないことがあるんだ。」
「今、話してもいいか?」
いつもの口調じゃない。
「い…いいよ?」
何が起きてしまうのだろう。
私達の関係は壊したくない。
何故か既読感あった。
だけどそれを繋ぎたくない。
手を放したくない。
私は覚悟を決めて後藤さんの方を向いた。
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