ひとつ、占って進ぜよう
ゆかり
〇〇占い
「実は僕、最近占いに凝っててね」
「ほう。まあ、僕もネットとかにあると、ついやっちゃうけどね」
「いや、いや、占ってもらう方じゃなくて占うほう」
「え? そうなの? 占うほう?」
「そう。なんかこう、意識を集中すると見えてくるんだよね」
「え? え? 凄いじゃん。なに? 手相とか?」
「いやいや」
「んー、じゃあ、あの棒をシャカシャカするやつ?」
「いやいや」
「他に何かあったっけ? あと水晶玉とか、瓦を割るヤツとか……?」
「なんか君、マイナーな占いが好きだね」
「いや、だって見えてくるとか言うから……」
「他にもいっぱいあるじゃん。女の子に好かれそうなやつ」
「ああ、星占いとか血液型とか?」
「……前世占い」
「!」
「前世占い」
「そりゃまた、うさん臭いの出してきたね」
「因みに君の前世は……」
「う、う、そんなに覗き込まれると、なんか照れるな」
「手です!」
「は?」
「君の前世は手だね。間違いない」
「いやいや、ちょっと待ってよ。手って……」
「それもかなり悪い手だね。良くないねぇ」
「いや、普通はヨーロッパの軍人だったとか、アフリカの像だったとか、そう言う感じじゃないの?」
「まあ、そういう人もいるけどね。あなたは、手です」
「手って、じゃあ誰の? いや、何の?」
「単独の手ですね。あぁーあ、困った前世ですね。かなり悪い事してますよ、君」
「なんか口調も変わってきたけど。それ、ちょっと納得できないな。だって手だけ単独で生きられないじゃない?」
「君、猿の手って話、知ってる? あんな感じでいろいろやらかしてます」
「猿の手って、あの願いを三つ叶えるとかってホラーな感じの?」
「そうそう。かなり大勢、酷い目に遭わせてますね」
「でも、あれってミイラじゃん。生きてないし、第一、実話じゃないよね?」
「はたして、そうかな?」
「え? ちょっと待って、こっわぁ。じゃあ僕があの有名な話の元ってこと?」
「そんな大物じゃないよ。もっと脇役だね。残念ながら」
「なんか、腹立つなあ。……じゃあ、君の前世は何なんだよ?」
「僕? 僕はその手を使ってインチキ占いしてた占い師さ」
「は?」
「って事で、現世もよろしく頼むよ、相棒!」
—おっしまいっ—
ひとつ、占って進ぜよう ゆかり @Biwanohotori
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