第4話
後頭部には柚月さんの鼠径部が柔らかく、でもしっかりと僕の頭を支えてくれている。
首の両側を沿うように内腿がぴったりと添えられ、まるで“おやすみ”と囁かれているような安心感がそこにあった。
喉元にはふくらはぎのラインが沿い、呼吸に合わせてほんのりと圧が変わる。
まさに“絞められている”という状態なのに、それは不思議なくらい安らかで守られている感覚のほうが強かった。
一方で視界の先には葵さんがいる。
僕の上にまたがり身体を密着させながらも、焦る様子は一切なく呼吸を合わせ目を見つめ、丁寧に言葉をかけてくれていた。
「じゃあ……これから少しずつ身体を重ねていきますね。痛くないように怖くないように、ゆっくり。ちゃんと私の声を聞いていてくださいね」
彼女の声は落ち着いていてあたたかく胸の奥に静かにしみこんでくる。
まるで母が子を寝かしつけるようなでも決して子ども扱いではない――
“敬意”と“愛情”のこもった、深い声だった。
「はい」
僕は小さく頷く。
この世界のやり方が、正しいのかどうかもわからない。
でも今、目の前にいる彼女たちは誰よりも誠実に、僕という存在に向き合ってくれている。
葵さんは腰をゆっくりと落としながら、僕の身体に自分の体温を重ねていく。
下腹部と下腹部が触れ合い服の薄布越しに肌と肌がわずかにこすれ合った。
その瞬間思わず小さく息を呑んでしまった僕に、彼女はやさしく微笑んで言った。
「びっくりした? でも大丈夫。これは自然な反応です。少しでも不安になったらすぐ言ってくださいね」
柚月さんも後ろから声をかけてくれる。
「いま葵がゆっくり“迎えにいく”準備をしています。あなたの身体に合わせて、リズムを作ってくれますから安心して委ねてください」
葵さんは、呼吸のリズムを僕に合わせてくれていた。
吸うときはそっと身体を持ち上げ、吐くときは重ねた体を近づける。
その動きは、決していやらしさを感じさせず、むしろ心臓の鼓動を合わせるための静かな調律のようだった。
「ゆっくり、息を吐いて……はい、いいですよ。そのまま……」
彼女の膝が僕の両脇にしっかりと添えられ、安定した姿勢で密着していく。
胸元のやわらかさが僕の胸にそっと触れたとき、思わず心が揺れた。
「あなたの反応、ちゃんと伝わってきてますよ。身体がすごく素直で……あたたかい」
そう言って彼女は少しずつ腰を動かす。
ごく小さなリズムでゆったりと。
焦らず、急がず、僕の感覚をひとつずつ確認しながら。
鼠径部に包まれた首は心地よい圧迫の中で安心感に満ち、
視界の先の葵さんのやさしさが僕の心を優しくほぐしていく。
「このままもう少しだけ進めていきますね。
あなたが“出したくなる”ときが来るまで、私たちは丁寧に、焦らず、お手伝いしていきますから」
柚月さんがさらに脚の角度を調整するように、静かに太ももで首元の“絞め”を深くした。
ギュッという感触が首の両側に広がり、僕の意識が葵さんと柚月さん、ふたりに“完全に包まれている”ことをあらためて実感する。
――もう、逃げ場もいらなかった。
心も身体もすべてがこの世界に“委ねる準備”を整えていた。
そして彼女たちはそのすべてを、あまりにも丁寧にゆっくりと受け止めてくれていた。
葵さんの柔らかな身体が僕の上にそっと重なったまま、時間はゆっくりと流れていた。
柚月さんの太ももに首を絞められているという状況にもかかわらず、僕の中には不思議な安堵と、身体の奥から湧きあがるような安心感が満ちていた。
「今、私の身体があなたの上に少しずつ馴染んでいくところです。体温も、呼吸も、鼓動も。全部合わせていくとね、心もゆるんでもっと楽になりますから」
その声の温度、話すスピード、視線の合わせ方――どれも完璧に落ち着いていて、僕の胸のざわつきを優しくなでてくれるようだった。
「身体のどこかが不安だったり気になるところがあったら、すぐ教えてくださいね。あなたが“安心して委ねられる状態”を作ることが、私たちにとって一番大切なんです」
葵さんの手が僕の胸の上をそっとなでた。
指先の動きはまるで風のようで、肌に触れるというよりも、心を撫でているような優しさだった。
「まだ苦しくない?」
背後から聞こえる柚月さんの声は柔らかく包み込むような響きで、僕の耳元に届く。
首を包む彼女の内腿は絞めるというよりも“抱かれている”感覚に近くて、首を固定するというよりも、心を支えてくれているようだった。
「うん……大丈夫」
そう言うとふたりはどこか嬉しそうに小さく微笑んだ。
まるで“あなたがそう感じてくれてよかった”と心から安堵しているように。
すべてが、“僕の感覚”に合わせて行われていた。
「うん、いい子……とても素直な身体ですね。ちゃんと応えてくれてる。呼吸も整ってる……そのままで大丈夫ですよ」
彼女の言葉に、僕の胸が静かに震える。
柚月さんも首の太もも絞めの角度を微調整しながら、軽く力を込めてきた。
「葵が今、あなたの反応を確かめながら、優しく迎えにいってます。私は、あなたの意識をしっかりここに留めておくから……迷わなくて大丈夫」
「もうすぐ……あなたの中に、私のすべてが届きます。
その瞬間まで急がず、焦らず、丁寧に……ちゃんと、あなたの命の場所に触れていきますから」
葵さんの体温が僕の下腹部からじわじわと広がっていく。
彼女の身体がそっと重なったその瞬間から世界のすべてが静かに、ゆっくりと動いているような感覚に変わった。焦るものは何もなくてただ時間だけが穏やかに流れている。
彼女の両膝が僕の脇に寄り添い安定した姿勢で腰をゆっくり沈めていく。その動きはほんのわずかで触れているのか、触れていないのか、そんな微妙な境界線を慎重に探るようだった。
彼女の下腹部が僕の敏感な場所に柔らかく重なり、ゆるやかな圧を与えてくる。
「はい、いま少しだけ……身体の入り口に触れました。まだ中には入っていませんよ。まずはあなたの反応を感じて、心の準備も整えてから……」
後頭部では柚月さんの鼠径部がやさしく僕を支え続けていた。
首に添えられた内腿の感触は、まるで羽毛のように柔らかく、それでいて確かに包み込まれている。ふくらはぎが喉元にそっと触れ呼吸のたびに優しい弾力が首筋をなぞる。
「苦しくないですか? 呼吸が乱れたらすぐ教えてくださいね」
柚月さんの声は、すぐ耳元に落ちてくるようだった。
まるで膝枕をされているような――それ以上に密接で深く静かな包容感。
「今のあなたは、私と葵の身体に完全に包まれている状態です。頭も、首も、胸も、お腹も……すべてが女性のぬくもりのなかにあります。どうか安心してそのまま流れに身を任せてくださいね」
彼女の言葉は、魔法のようだ。
葵さんがほんのわずかに腰を前後させながら、僕の反応を観察しているのがわかる。
でもその動きは極限まで抑えられていて、まるで“音を立てないように呼吸している”かのような静けさだった。
「はい……いいですよ。そのまま、息を吐いて……そう、リラックス……」
「焦らなくて大丈夫。今はまだ、“入り口”にいるだけ。あなたの身体が、“もっと受け入れられる”って感じたときに、自然と開いていきますから」
葵さんは、そう言いながら、自分の腰を静かに沈めていく。
まだ奥までは触れていないけれど、彼女の身体の柔らかさと熱が、僕の中心をやさしく包んでいた。
「……温かい……」
思わずこぼれたその一言に、彼女たちは微笑む。
「うれしい。そう感じてもらえることが、私たちにとっていちばん大事なことです」
「このまま少しずつ“あなたの中に入っていく”感覚を、一緒に感じていきましょうね。無理に押しこむんじゃなくて自然に、気持ちよく、あなたが望んだタイミングで」
絞める太もも、包み込む腰、やさしく触れる手、見つめる瞳、そして、かけられる言葉。
すべてがひとつになって僕という存在をまるごと受け止めてくれていた。
葵さんの身体が僕の下腹部にそっと馴染んでいく。
彼女の体温は驚くほどやさしくぴったりと寄り添うような温もりが、じわじわと僕の肌の奥に染みこんでくる。触れているだけなのにまるで抱きしめられているような、そんな感覚だった。
「はい、そこ……とってもいいですよ。呼吸、少しずつ深くなってきてますね。私の中も、ちゃんとあなたに応えてます。焦らなくて大丈夫」
葵さんはほんの少しだけ腰を沈め、僕の反応を丁寧に感じ取ってくれていた。彼女の動きはとてもゆっくりで、たとえるなら、手紙を開くときのような慎重さ。破らないように、驚かせないように、そっと指先でページをめくるように進んでいく。
後頭部では柚月さんのデリケートゾーンがしっかりと支え続けていた。
首の両脇を挟む内腿は、温かく、吸い付くような感触で、まるで母の腕に抱かれているようだった。
ふくらはぎが喉元を支えていてほんのわずかに圧をかけながら、僕の意識を穏やかに集中させてくれる。
「少しだけ“絞め”を強くしますね。まだ息はできます。でもこのくらいが、あなたの身体が一番素直になるタイミングだから……」
柚月さんの脚に、ゆるやかに力が込められる。
ギュッ――首の両脇がさらに優しく絞められ、自然と呼吸が少し浅くなっていく。
でも、それが怖くないのは、彼女の言葉と手のぬくもりがあるからだった。
「ほら、今……葵の中あなたの一部がゆっくり入ってきてますよ。気づきましたか?」
葵さんが、微笑みながら言った。
確かにゆっくりと、でも確実に僕の中心が彼女の身体の中に受け入れられていくのがわかる。
それは押しこむでもなく、誘うでもなく――ただ、呼吸と一緒に、身体が自然に進んでいくような感覚だった。
「あなたの身体が今、とっても素直になってるのがわかります。心が開いてると、身体もちゃんと応えてくれるんです」
彼女の腰がゆっくりと沈んでいく。
ゆっくりゆっくり、ぬるま湯に溶けていくような、圧も痛みもない滑らかな動き。
僕の一部が、葵さんの中に、完全に包まれていく――
そのとき柚月さんの脚がもう一段階、強く首を絞める。
「はい、今です。ここからが、あなたの命が“つながる”瞬間です。身体の奥が“託せる”って感じたらそのまま素直にゆだねてください」
「私たちは、最後までちゃんと受け止めますから」
僕は目を閉じたまま、全身の感覚に静かに意識を傾けていた。
葵さんの体温が僕の下腹部に密着して伝わってくる。とてもあたたかくて、湿度を帯びた柔らかさが、少しずつ、奥へと迎え入れてくれている。
彼女の動きは、まるで言葉を使わずに語りかけてくるようだった。
押すのでも引くのでもなく、呼吸を合わせながら、僕の身体の奥に優しく入り込んでくる。ぬくもり、鼓動、肌の柔らかさ――それらすべてが、葵さんという存在そのものを伝えてくるようだった。
「うん……ちゃんと、あなたの中に入ってきてますよ」
葵さんは僕の頬にそっと手を添え、目を見て、柔らかく微笑みながらそう言った。
その笑顔には、安心させてくれる包容力と、どこか神聖な気高さすらあった。
「これで、あなたと私の身体が“つながった”状態になります。ここから、もっと深く、ゆっくりと……“命を交わす”準備に入りますね」
その一言ひとことが、耳ではなく、身体に直接染み込んでいくような感覚だった。
「ほら……もう、奥まで届いてます。あなたの命の先端がちゃんと私の奥の、いちばん大事な場所に触れてますよ」
その言葉が告げられたとき、僕の心の奥で何かがふわっとほどけた。
それは理屈じゃなくてもっと深い本能の部分――「ここに託してもいい」と、無意識に感じたような、静かな肯定だった。
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