第3話
それからも翔君は私に優しくしてくれた。気付けば2人で過ごす時間がとても長くなっていった。テスト勉強の時も、休み時間の時も、放課後遊ぶ時まで。
他のクラスメイトとはほとんど交流を持たなかった。別に嫌いとかそういうことでは
無かったと思うが、翔君と過ごす時間が長くなると自然とその傾向は強くなっていった。彼もそれは同様のようだった。
しかし私の恋心は彼にまだ打ち明けられずにいた。でも「運命的なものを感じた」と
言ってくれる彼ならOKを出してくれるんじゃないか?と心の中で淡い期待を抱かずに入られなかった。家にいる時も彼のことを考えていると落ち着かなかった。
母親や父親と会話している時もどこか上の空だったのだと思う。ちゃんと返答できた覚えはあまりない。そんな私を心配してか、母親は私に声をかけてきた。
「亜香里、なんか最近ちょっと変じゃない?」
「え?」
「話してる時もボーっとしてるっていうか、何か集中してない感じだけど
何か悩んでることでもあるの?何でも言いなさい。」
「えーと」
亜香里は答えに窮した。翔のことが原因だと自分でも分かっていたが、それを言うのはあまりに恥ずかしかった。
しかし突然ひらめいたのか見透かしたように母親が言う。
「あーー、もしかしてそれって前言ってた翔君のことが気になってるからなの?」
「・・・」
沈黙していると、それをいいことに母親は続ける。
「分かるんだよ。そういうの。私はこれでも学生時代は友達の恋愛相談に山ほど
のってきたんだから。表情とか雰囲気で何となく感じ取れるの!」
「・・・」
黙ったままいると母親はさらに続ける。
「そんなに好きなら、告白しなさい。良い?大人になってから学生時代に
好きな子に告白しなかったことを後悔する大人はいっぱいいるんだよー。
確かに失敗する可能性もあるかもしれない。でもやらないよりは全然ましよ。
人生やらない後悔より、やって後悔っていうでしょ?」
「こ、告白って、そんな簡単に言わないでよ。
確かに彼のことは気になってるけど、何ていわれるか分からないし、
何でもすりゃ良いってわけじゃないでしょ!」
「もう、分かってないわね!自分の想いを伝えないと本当に後になってから
自分を苦しめることになるの。私はそういう人を今まで本当にたくさん見てきた。
過去には戻れない・・・ 後から気付いてももう手遅れよ・・・
だから今やりなさい。本当に、
もし振られてもその時は、、、私が亜香里を守ってあげるわ」
お母さんはそう言い残して席を立つ。
亜香里はその後すぐに自分の部屋の戻った。
どうすればいいのだろう?告白するのは怖い・・・
でも後悔もしたくない。 先ほどの母親の言葉が脳裏をかすめる。
確かに母親の言っていることはわかる気がする。
でも、でも、やっぱり怖い
結局考え続けているうちに眠れないまま亜香里は次の日の朝を迎えた。
あいつさえいなければ・・・ @haruki481
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