第5章 過去の影と今の私
第5章 過去の影と今の私
週末の午後、結衣は自室の窓際に座り、ノートパソコンを開いていた。
だが、画面の文字に目を通すことはできず、意識はふと過去に飛んでいく。
大学時代、初めて真剣に付き合った彼。
笑顔が素敵で、何でも話せると思っていた相手だった。
「結衣のこと、大事にするよ」
その言葉を信じて、結衣は全てをさらけ出した。
だが、半年後、彼の態度は変わった。
連絡は途絶えがちになり、会っても心が通じない瞬間が増えていった。
最終的には「ごめん、もう無理だ」と告げられ、結衣は深く傷ついた。
「私は…本当に恋愛に向いてないのかな」
当時の失恋の痛みは、今も胸の奥でくすぶっている。
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自己成長の気づき
しかし、あの経験は無駄ではなかった。
「私は怖がってばかりじゃダメだ」
自分の気持ちを押さえ込まず、相手を信じて行動する勇気を少しずつ学んだ。
そして、社会人になり、今の職場での出会いがある。
拓也とのさりげない交流や、友人・美咲の支えを通して、結衣は過去の自分と比べて少しだけ強くなったことに気づく。
「怖いけど…もう逃げたくない」
窓の外を眺めながら、結衣は心の中で小さく誓った。
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新しい恋への期待
その夜、スマートフォンに届いたメッセージに思わず微笑む。
「明日、仕事帰りに一緒に資料整理しませんか?」
拓也からのLINEだ。
過去の失恋を思い出すと胸が痛むが、同時に今の自分は少し違う。
「今度こそ、ちゃんと向き合いたい」
結衣は深呼吸し、返信を打つ指に少し力を込めた。
過去の影が、今の勇気を育んでいる。
そして、明日からの小さな一歩が、やがて大きな恋の軌跡となることを、結衣はまだ知らなかった。
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