第8話 青山青葉バレエ団 入団

 純華じゅんか青葉あおば美鈴みすず、もう一人のバレエ教師のところに行く。そして、少し話した後、青葉と純華がすみれと優一のところにやって来た。


 青葉がすみれに微笑んで伝える。

「すみれさん、青山青葉あおやまあおばバレエ団は、あなたさえその気なら、いつでもあなたを受け入れようと思います。優一君も」

「はい、よろしくお願いします」「よろしくお願いします」

 すみれと優一が返事を返すと、純華がクスッと笑い、すみれたちに言う。

「あなたたち先生が言われたことが十分理解できていないようだけど」

「え?」

「ここは、普通はバレエ学校に入学なの。バレエ団への入団は、バレエ学校で実績を残したり、オーディションに合格しないと入団できないの」

「はい」

「今、青葉先生は、あなたたち二人をバレエ団が受け入れると言ったのよ」

「え!」


 青葉が二人に言う。

「あなたたち二人、うちのバレエ団に入るなら、体操の先生にもきちんとご挨拶をしてから来てちょうだい。あなたたち、体操の方でも有名みたいだから、確か、宮村先生と言ったかしら、体操の先生。そちらの先生方にもきちんとご挨拶をしてきてください」

「はい」

「あなた方がご挨拶をしてきたら、私も宮村先生にご挨拶に出向きます」

「え? そんなに」

 すみれが驚いた顔をする。

「そんなにですよ。特にすみれさんは、こちらの世界の判断だけで勝手に入団させることはできません。体操の方もきちんとしてきて下さい」

「はい」


 ことはバレエが好きだから始めますでは済まないようだ。


 数日後、すみれは両親と一緒に体操教室に挨拶に出向いた。

 体操教室の宮村は驚きを隠せず、考え直せないかと言われたが、すみれの気持ちが変わらないということで、最後は「バレエの世界で活躍することを期待します」と笑顔で握手をしてくれた。

 それから数日後、青山青葉バレエ団の青葉も、直接、体操教室に出向き丁寧に挨拶した。世界が違うとはいえ、お互いに名前は知っていた。

 宮村も青葉の丁寧な対応に対し「久宝くぼうすみれと久宝優一くぼうゆういちをお願いします」と頭を下げ握手を交わした。

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